新幹線・飛行機・高速バス等通勤費の補助・助成による支援

移住先がそのまま通勤先になると楽なのですが、住みたい場所に働きたい場所があるとは限りません。都市部の喧騒を避けて、静かな住環境を求める移住者なら、自治体外へ遠距離通勤することもあるでしょう。

交通網が発達したことで、近年は通勤距離よりも通勤時間のほうが重要になりました。都市圏に住み在来線で通うよりも、都市圏周辺から新幹線で通うほうが通勤時間は短くて済む場合もあるということです。

自治体が理想とするのは、定住かつ自治体内での就業ですが、就業は無理でも定住してくれることで人口流出を抑えられますから、通勤費は支援の対象になっています。

支援制度の仕組み

通勤費の支援は移住者に限定されているものではなく、転入して住民となることで受けられるケースがほとんどです。中には、移住したことで遠距離通勤になった人など、支援対象を限定している自治体もありますが、基本的には定住促進の一環です。

そして、支援の条件も色々とありますので、移住先からどこにどのような経路で通勤するのか、しっかり把握した上で支援制度を確認するようにしてください。ほとんどの支援制度は、通勤費から通勤手当を除いた、自己負担額を対象とします。

【通勤費が支援される主な条件】

  • 一定距離以上の通勤をしている(遠距離通勤向け)
  • 一定年齢を下回っている(若年者向け)
  • 特定の公共交通機関を通勤に使っている
  • 特定の区間を通勤に使っている

この支援制度を設けている主な自治体

通勤費の支援を行っている自治体はかなり多いです。その理由は、近隣の都市圏に人口が流出している現状を止めたい、離島で就業先が乏しく島外での通勤を補助しているなど、自治体ならではの事情もあるからです。

また、上限額が大きいほど助かるのは確かですが、支援期間が終わった途端に高額の通勤費負担が待っているようでは辛いので、支援期間の長さも重視しましょう。

長崎県壱岐市(いきし)

長崎県壱岐市
離島であることから非常に手厚い支援となっており、上限50万円(年額)は、陸路ならまず考えられない金額です。さらに上限まで全額補助、通学でも使える制度なので、親子で利用すれば相当な負担軽減になります。

支援の主な条件 ・市に住所がある
・1年以上継続して通勤する見込みがある
・島外に船舶または飛行機(壱岐~長崎)で通勤する
支援内容 交通費負担額-通勤手当
※毎日通勤は年額上限50万円
※勤務日は島外滞在で月2回以上帰島する通勤は年額上限20万円
公式HP

茨城県潮来市(いたこし)

茨城県潮来市
交通機関が指定されるため、東京都内やその近隣で勤務する人しか対象になりません。上限額が月額20,000円と大きく、期間も平成32年3月まで(以降は不明)あるので、東京から職場を変えずに移住したい人向けです。

支援の主な条件 ・転入した日に50歳未満で過去1年間市に住所がない
・鹿島神宮駅~東京駅間の高速バスを定期券で利用
支援内容 交通費負担額-通勤手当(月額上限20,000円)
※事業が終了する平成32年3月までの期間
公式HP

岡山県新見市(にいみし)

岡山県新見市
新見市の支援制度は遠距離通勤を要件としており、自家用車で通勤しても、公共交通機関で通勤しても、両方を使って通勤しても適用される柔軟な設計です。惜しいのは補助率が1/2になっていることでしょうか。

支援の主な条件 ・基準日(申請日の年度の前年度における1月1日)の時点で40歳未満
・基準日の時点で定住しているまたは定住のために転入する予定
・通勤距離が50km以上
支援内容 (基準額-通勤手当)×1/2(月額上限20,000円)
※基準額は距離と通勤手段によって5,000円~40,000円
※40歳誕生月の前月まで
公式HP 市外遠距離通勤者定住支援奨励金について

埼玉県熊谷市(くまがやし)

埼玉県熊谷市
支援対象を新幹線定期券に限定するのは良くあるパターンで、熊谷市の場合には住宅の取得も要件としています。いくら移住促進の制度でも、賃貸住宅で定住する人も存在するのですから、住宅の取得が含まれるのは厳しいと感じます。

支援の主な条件 ・平成31年3月31日までの転入で過去1年間市に住所がない
・申請者または同居する配偶者が40歳未満
・5年以上継続して居住する意思がある
・住宅を建築または購入している
・熊谷駅で新幹線定期券を利用している
支援内容 (新幹線定期額-通勤手当)×1/2(月額上限20,000円)
※新幹線定期券の初日から2年間
公式HP おいでよ、熊谷!新幹線で楽ちん通勤しませんか?

福島県田村郡小野町(おのまち)

福島県田村郡小野町
最後に紹介するのは少し変わった制度で、遠距離通勤者のETC設置を補助するものです。小野町には鉄道駅もありますが、磐越自動車道・あぶくま高原道路による高速道路網のほうが発達しており、自治体によってはこうした支援方法もあります。

支援の主な条件 ・Uターン者またはIターン者
・住民登録をしてから3ヶ月未満
・通勤距離が30km以上
支援内容 ETC機器と設置費用(上限15,000円)
公式HP 定住・二地域居住推進事業
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