住宅の固定資産税を支援

住宅が高額であればあるほど、毎年納付する固定資産税は高くなっていきます。固定資産税は、住宅の取得時に発生するものではないですが、翌年から住宅を所有する限り納付し続けなければなりません。

住宅の取得費用よりもはるかに低額とはいえ、住宅ローンの他にも固定資産税の支払いがあることで、住宅を所有せず賃貸を考える人が出てくるのは当然です。自治体にしてみると、身軽な賃貸よりも、所有して長期間住んでもらいたいのが実情でしょう。

そこで、住宅の取得から一定期間、固定資産税を支援する制度が設けられています。

支援制度の仕組み

固定資産税の支援は、固定資産税が無料になる・免除される制度ではありません。あくまでも納税者が納付した固定資産税相当額を、自治体が後から交付するものです(一部自治体は課税を免除していますが少数です)。

つまり、一旦は納付した固定資産税が還付されるイメージで、固定資産税を完納してから申請を行うと、納付済みの固定資産税相当額が交付されます。そのため、固定資産税の滞納がある場合は、当然に交付対象から外れます。

【固定資産税支援の流れ】

  1. 住宅取得の翌年に固定資産税の納付書が届く
  2. 当年度の固定資産税を完納する
  3. 支援制度を受けるための申請をする
  4. 納付した固定資産税相当額が交付される

また、固定資産税には新築から一定期間(3階建て以上の耐火建築物等は5年間、その他の住宅は3年間)の減額措置があります。したがって、新築戸建てなら3年間、新築マンションなら5年間は、固定資産税が1/2です。

この減額期間に限って支援されると、元々半額の固定資産税ですから、あまり大きな支援とは言えず、最低でも3年を超える年数で支援している自治体を選びたいところです。

この支援制度を設けている主な自治体

固定資産税の支援制度は、新築に限っている自治体が多いです。前述のように、新築後の一定期間は減額されることで、自治体の負担も小さく済むわりに、固定資産税が実質無料のインパクトは大きいからです。

しかし、同じ支援制度が複数の自治体で用意されているからには、少しでも大きな金額・長い期間の自治体を選びたくなるでしょう。

  • 中古住宅も対象にしている
  • 3年を超えて支援している
  • その他お得な支援が併用される

上記のいずれかを満たしている自治体でピックアップしてみました(紹介する自治体が全てではありません)。

福岡県鞍手郡鞍手町(くらてまち)

福岡県鞍手郡鞍手町
支援期間が10年間、中古住宅も対象で年齢条件がなく、固定資産税の支援では非常に高い水準です。面積要件はありますが、厳しいものではないので容易にクリアできるでしょう。

支援の主な条件 50㎡以上(マンションは40㎡以上)280㎡以下の住宅(新築・中古)を取得
支援内容 固定資産税相当額(上限15万円)を10年間支援
公式HP 鞍手町定住促進事業

秋田県にかほ市(にかほし)

秋田県にかほ市
定額の奨励金と固定資産税の支援金、さらに1年間の温泉無料パスポートが付いてくる複合の支援制度です。温泉無料はともかく、奨励金と固定資産税の支援が両方受けられるのは珍しいです。

支援の主な条件 住宅の取得(新築・中古)
支援内容 奨励金100万円+3年間の固定資産税を支援、1年間は家族全員が温泉無料(温泉施設は5つ)
公式HP にかほ市定住奨励金のご紹介

北海道夕張郡由仁町(ゆにちょう)

北海道夕張郡由仁町
固定資産税の支援が5年間と長く、さらに子育て世帯は最高で18年間まで延長されます。この延長措置は、交付対象の認定を受けてから生まれた子供には適用されないので、子供が0歳のうちに認定を受けると最も長い期間になります。

支援の主な条件 50㎡以上の新築住宅を取得(建売も可)
支援内容 5年間の固定資産税を支援、子育て世帯は交付対象の認定時に最も幼い子供が18歳に達する年度まで延長
公式HP 各種支援・補助制度等

新潟県南魚沼郡湯沢町(ゆざわまち)

新潟県南魚沼郡湯沢町
支援制度のターゲットが若者夫婦であるため、単身者は使えないのが残念です。それだけ、単身者に定住を望めないからなのですが、上限15万円を5年間補助してくれる水準は高く、年齢条件に合致する夫婦なら十分でしょう。

支援の主な条件 合計年齢80歳未満の夫婦が住宅(新築・中古)を取得
支援内容 固定資産税相当額(上限15万円)を5年間補助
公式HP 湯沢町への移住促進のための住宅取得補助金

鳥取県西伯郡南部町(なんぶちょう)

鳥取県西伯郡南部町
土地と建物の取得を条件にしている自治体が多い中、町が所有する土地に限り、定期借地権でも支援を可能にしている点が特徴です。支援期間も5年間と申し分なく、年齢や住宅に条件がないのも評価できます。

支援の主な条件 住宅(新築・中古)を取得(町が所有する土地は定期借地権も可)
支援内容 固定資産税相当額(定期借地権による場合は建物のみ)を5年間補助
公式HP 定住促進奨励金制度
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