大分県で移住してみたい市町村  

温泉で知られる大分県には活火山が3つあり、従来から地熱の恩恵を存分に受けてきました。山地が多い地形のため、周防灘・豊後水道に面する東海岸を中心に、大分市や別府市など市街地が形成されています。

大分県も熊本地震の被害を受けたことで、移住をためらうかもしれませんが、幸いにも熊本県に比べて大分県の人的被害は少なく、主に建物・道路等の物的被害でした。住宅の探しにくさなど課題はあるとしても、徐々に復旧していると思われます。

また、福岡県との連絡で、北九州市から海沿いに南下する経路と、福岡市から内陸を通って南東に進む経路が別府市付近で合流することや、大分空港が近いことから、交通利便性の高い県中部地域は、有力な移住先候補になるでしょう。

注意点として、大分県内の主要都市は、通院の医療費助成を就学前までしか行っていません。子供が病気がちの場合は、医療費負担が増えることを踏まえておきたいところです。

大分県の主要な町

大分市(おおいたし)

大分県大分市

県人口の約40%が住んでいる大分市は、冬の北西風を山地が遮る地形と、沿岸部は瀬戸内海式気候に近い特性から、一年を通じて過ごしやすい気候が魅力です。緩やかに人口は増えており、県全体に対する大分市の人口比率は一層高まってきました。

大分駅には、日豊本線・豊肥本線・久大本線が乗り入れていますが、特急(小倉駅経由で博多駅行き)が走る日豊本線でも1時間に3本~6本、他路線は1時間に1本~3本です。道路網には恵まれているので、交通は車が中心だと考えましょう。

人口 478,146人(平成22年~27年増減率:+0.9%)
地価水準(住宅地) 48,298円/㎡(平成27年~28年変動率:-0.4%)
主要交通など 大分駅、大分空港まで車で約1時間、大分港
小児医療費助成 通院:就学前まで、入院:中学生まで
家賃相場 5.0万円(1LDK/2K/2DK)
介護保険料基準額 5,994円/月
病院数 53ヶ所
1万人あたり病床数 155.0床
保育所数 64ヶ所
介護老人福祉施設数 15ヶ所
1万人あたり飲食店 44.1ヶ所
気候 1月 4月 7月 10月
平均気温 6.2℃ 14.5℃ 26.5℃ 18.6℃
平年降水量 45.4mm 129.3mm 252.5mm 120.9mm

別府市(べっぷし)

大分県別府市

日本の温泉街では、最大級の規模を誇る別府温泉。別府市を訪れる観光客は、年間880万人にもなるので(平成27年)、別府市の就業人口は、サービス業が8割を占めるほど偏っています。その分だけ、就職もサービス業の間口が広いのは確かです。

市内には、別府八湯と呼ばれるほど各地域に温泉が点在しており、公衆浴場は基本的に100円、ホテル等でも500円程度で温泉が楽しめます。隣接する大分市との交通は良いので、大分市への通勤に問題はありません。

人口 122,138人(平成22年~27年増減率:-2.6%)
地価水準(住宅地) 40,089円/㎡(平成27年~28年変動率:-1.0%)
主要交通など 別府駅(大分駅まで約15分)、大分空港まで車で約
小児医療費助成 通院:就学前まで、入院:中学生まで
家賃相場 4.6万円(1LDK/2K/2DK)
介護保険料基準額 5,739円/月
病院数 26ヶ所
1万人あたり病床数 315.9床
保育所数 28ヶ所
介護老人福祉施設数 7ヶ所
1万人あたり飲食店 72.5ヶ所
気候(大分) 1月 4月 7月 10月
平均気温 6.2℃ 14.5℃ 26.5℃ 18.6℃
平年降水量 45.4mm 129.3mm 252.5mm 120.9mm

中津市(なかつし)

大分県中津市

県の北部で、文化遺産を多く持つ中津市は、福岡県との県境になる街です。中津市まで北になると、大分市よりも福岡県北九州市のほうが近く、中津駅から小倉駅まで特急で30分ほどです。大都市に近いことは、メリットになる人が多いのではないでしょうか。

また、大分市や別府市に比べ、地価水準は半額以下と大幅に下がっている反面、家賃相場は大きく下がっていませんので、賃貸住宅を考えている人は十分に検討しましょう。この傾向は、後述の佐伯市や日田市も同様です。

人口 83,965人(平成22年~27年増減率:-0.4%)
地価水準(住宅地) 17,341円/㎡(平成27年~28年変動率:-0.9%)
主要交通など 中津駅(大分駅まで約55分)、大分空港まで車で約1時間10分
小児医療費助成 通院:就学前まで、入院:中学生まで
家賃相場 4.5万円(1LDK/2K/2DK)
介護保険料基準額 5,000円/月
病院数 11ヶ所
1万人あたり病床数 152.1床
保育所数 28ヶ所
介護老人福祉施設数 6ヶ所
1万人あたり飲食店 56.1ヶ所
気候 1月 4月 7月 10月
平均気温(2015年) 6.4℃ 14.9℃ 25.4℃ 17.2℃
降水量(2015年) 93.0mm 195.5mm 177.0mm 47.5mm

佐伯市(さいきし)

大分県佐伯市

中津市とは正反対に、県の南端で宮崎県との県境になるのが佐伯市です。複雑な海岸線を持ち、古くから漁業の町として栄えてきた佐伯市は、西から東へと流れる番匠川の下流域に市街地が広がっています。

新鮮な魚介類がウリですから、食べ物がおいしいことはもちろん、海・川ともに好釣り場が多い地域なので、釣りが趣味なら住んでみたい場所です。また、南部の蒲江地区は、サーフィンの有名ポイントでもあります。

人口 72,211人(平成22年~27年増減率:-6.2 %)
地価水準(住宅地) 19,696円/㎡(平成27年~28年変動率:-1.3%)
主要交通など 佐伯駅(大分駅まで約1時間)、大分空港まで車で約1時間半
小児医療費助成 通院:中学生まで、入院:中学生まで
家賃相場 4.5万円(1LDK/2K/2DK)
介護保険料基準額 5,300円/月
病院数 8ヶ所
1万人あたり病床数 166.6床
保育所数 18ヶ所
介護老人福祉施設数 6ヶ所
1万人あたり飲食店 50.9ヶ所
気候 1月 4月 7月 10月
平均気温 6.6℃ 14.9℃ 26.0℃ 18.8℃
平年降水量 53.2mm 151.9mm 280.1mm 158.0mm

日田市(ひたし)

大分県日田市

北西部の内陸で、福岡市と大分市を結ぶ鉄道・高速道路の中継点になる日田市は、九州北部のど真ん中にあります。単純に考えると、九州北部を巡りたいなら絶好の位置にあり、海はないですが、水源には恵まれて地下水がおいしいです。

ただ、過ごしやすさという観点から、盆地特有の猛暑と冬の寒さが気になる人が多いかもしれません。アップダウンがあるので、生活に車は欠かせず、なおかつ雪も降るためスタッドレスタイヤを用意しましょう。空港は福岡空港のほうが近いです。

人口 66,523人(平成22年~27年増減率:-6.2%)
地価水準(住宅地) 18,658円/㎡(平成27年~28年変動率:-1.5%)
主要交通など 日田駅(大分駅まで約1時間40分)、大分空港まで車で約1時間半
小児医療費助成 通院:中学生まで、入院:中学生まで
家賃相場 4.5万円(1LDK/2K/2DK)
介護保険料基準額 5,018円/月
病院数 18ヶ所
1万人あたり病床数 214.7床
保育所数 11ヶ所
介護老人福祉施設数 7ヶ所
1万人あたり飲食店 64.7ヶ所
気候 1月 4月 7月 10月
平均気温 3.9℃ 14.2℃ 26.6℃ 17.1℃
平年降水量 64.8mm 128.7mm 333.4mm 77.6mm

大分県で注目の町

国東市(くにさきし)

大分県国東市

大分空港のある国東市は、県北東部、国東半島の先端部にあります。空港への交通アクセス改善から、大分空港道路で別府方面と繋がる南部以外は、海岸沿いの国道213号と内陸に走る県道しかないので、交通が便利とは言えません。

したがって、陸の孤島感は強いのですが、むしろ自然や伝統文化が残っており、田舎暮らしには向いているでしょう。三大都市圏と結ばれ国際線もある大分空港は、大都市がない地域の空港にしては便数が多く、羽田便は1日14本もあります。

人口 28,647人(平成22年~27年増減率:-10.5%)
地価水準(住宅地) 9,447円/㎡(平成27年~28年変動率:-1.9%)
主要交通など 大分市まで車で約1時間10分、大分空港
小児医療費助成 通院:中学生まで、入院:高校生まで
介護保険料基準額 4,750円/月
病院数 3ヶ所
1万人あたり病床数 115.5床
保育所数 7ヶ所
介護老人福祉施設数 3ヶ所
1万人あたり飲食店 30.9ヶ所
気候 1月 4月 7月 10月
平均気温 5.8℃ 13.7℃ 25.9℃ 18.1℃
平年降水量 55.2mm 125.1mm 248.5mm 98.2mm

由布市(ゆふし)

大分県由布市

由布市は、市名よりも温泉地としての由布院・湯布院のほうが、全国的には知られているでしょう。良くありがちな温泉街ではなく、物静かな由布市の温泉は、純粋に温泉を楽しみたい全国のファンから支持されています。

内陸なので、標高が高く気温は低いですが、九州でも夏に過ごしやすいのはメリットです。また、大分市と別府市の両方に接し、大分市と近い南東部(旧狭間町・旧庄内町)は、ベッドタウンとして人気があります(温泉の多い旧湯布院町は北部)。

人口 34,262人(平成22年~27年増減率:-1.3%)
地価水準(住宅地) 21,923円/㎡(平成27年~28年変動率:-1.0%)
主要交通など 由布院駅(大分駅まで約1時間)、大分空港まで車で約1時間
小児医療費助成 通院:中学生まで、入院:中学生まで
介護保険料基準額 5,990円/月
病院数 4ヶ所
1万人あたり病床数 289.1床
保育所数 8ヶ所
介護老人福祉施設数 3ヶ所
1万人あたり飲食店 43.6ヶ所
気候 1月 4月 7月 10月
平均気温 2.0℃ 11.8℃ 24.0℃ 14.5℃
平年降水量 56.9mm 131.5mm 353.9mm 101.8mm

宇佐市(うさし)

大分県宇佐市

「住みたい田舎ランキング」で1位になったこともある宇佐市は、中津市と豊後高田市に挟まれた県北部にあります。両市や宇佐市を含めた県北部は、大分県の中でも移住者向けの雑誌等で評価が高く、人口の増減だけで判断しないようにしましょう。

全国に数多くある八幡神社・八幡宮の総本山、宇佐神宮があるほか、観光資源には恵まれていますが、鉄道の利便はあまり良くないです(特急は停車する)。なお、宇佐市は専門店が30店以上ある「からあげ」の街としても有名です。

人口 56,258人(平成22年~27年増減率:-4.7%)
地価水準(住宅地) 10,004円/㎡(平成27年~28年変動率:-0.8%)
主要交通など 柳ヶ浦駅(大分駅まで約40分)、大分空港まで車で約1時間
小児医療費助成 通院:就学前まで、入院:中学生まで
介護保険料基準額 5,190円/月
病院数 10ヶ所
1万人あたり病床数 151.4床
保育所数 21ヶ所
介護老人福祉施設数 4ヶ所
1万人あたり飲食店 37.8ヶ所
気候(豊後高田) 1月 4月 7月 10月
平均気温 5.1℃ 13.7℃ 26.2℃ 17.7℃
平年降水量 44.2mm 106.8mm 235.5mm 85.9mm

大分県で支援制度が充実している町

津久見市(つくみし)

大分県津久見市

市としては少ない約1万8千人の津久見市は、平成に入っても合併をしておらず、今後の人口維持が重要課題です。人口は少ないですが面積も狭いので、コンパクトな住みやすい街だと思えば印象も変わるでしょう。

移住者を対象にした補助制度は、仲介手数料から引っ越し費用まで手広くサポートされており、何よりも注目したいのは、対象年齢が65歳未満とハードルが低いことです。同様の制度は他の自治体にもあるので、移住先候補のHP等を確認してみてください。

人口 17,969人(平成22年~27年増減率:-9.8%)
地価水準(住宅地) 23,300円/㎡(平成27年~28年変動率:-2.0%)
主要交通など 津久見駅(大分駅まで約40分)、大分空港まで車で約1時間25分
注目の支援制度 手広い移住者支援補助金
・補助金申請日に65歳未満であること
・仲介手数料:上限5万円
・家財処分費用:上限10万円
・住宅取得:上限100万円
・住宅改修:上限100万円(補助率2/3)
・引っ越し費用:上限20万円(補助率2/3)
・移住完了:10万円
支援制度の公式HP 移住者居住支援事業補助金(市外からの転入者対象)
小児医療費助成 通院:中学生まで、入院:中学生まで
介護保険料基準額 5,998円/月
病院数 1ヶ所
1万人あたり病床数 63.5床
保育所数 3ヶ所
介護老人福祉施設数 2ヶ所
1万人あたり飲食店 51.8ヶ所
気候(佐伯) 1月 4月 7月 10月
平均気温 6.6℃ 14.9℃ 26.0℃ 18.8℃
平年降水量 53.2mm 151.9mm 280.1mm 158.0mm

豊後高田市(ぶんごたかだし)

大分県豊後高田市

自治体の支援制度としてはユニークで、実際には社会福祉法人の運営ですが、一部の地域で日常の買い物を代行してくれるサービスがあります。移動手段に不自由している場合や、荷物の持ち運びに難がある場合には、注文すると自宅に直接届けてくれます。

加えて、家庭菜園などの野菜を、直売所に出荷してくれるサービスもあります。生計を立てるほどではないにしても、野菜作りの趣味が高じてお小遣い程度になれば、移住後の生活も楽しくなるでしょう。小児医療費助成が平成30年4月に拡充されました。

人口 22,853人(平成22年~27年増減率:-4.4%)
地価水準(住宅地) 9,003円/㎡(平成27年~28年変動率:-1.6%)
主要交通など 大分市まで車で約1時間、大分空港まで車で約50分
注目の支援制度 生活支援サービス
・日常の買い物を自宅に配達(会員登録が必要)
・家庭菜園などの野菜を直売所に出荷(会費・手数料あり)
支援制度の公式HP 買い物支援サービスを行っています!
小児医療費助成 通院:高校生まで、入院:高校生まで
介護保険料基準額 5,100円/月
病院数 3ヶ所
1万人あたり病床数 153.8床
保育所数 7ヶ所
介護老人福祉施設数 2ヶ所
1万人あたり飲食店 43.7ヶ所
気候 1月 4月 7月 10月
平均気温 5.1℃ 13.7℃ 26.2℃ 17.7℃
平年降水量 44.2mm 106.8mm 235.5mm 85.9mm

速見郡日出町(ひじまち)

大分県速見郡日出町

別府市の北、大分市と大分空港の中間に位置する日出町には、1日1,000円で利用できる移住体験住宅があります。この料金設定は、特に安価な設定ではなく、県内の移住体験住宅は概ね似たような水準ですが、利便性から日出町を取り上げました。

鉄道駅や町中心部と近いうえに、国道10号や大分空港道路にも近いため、生活と交通の両面で便利です。町内にあるハーモニーランド(サンリオのテーマーパーク)との関係で、町民はハローキティ絵柄入りの住民票を交付してもらうことができます。

人口 28,058人(平成22年~27年増減率:-0.6%)
地価水準(住宅地) 26,975円/㎡(平成27年~28年変動率:-0.2%)
主要交通など 暘谷駅(大分駅まで約30分)、大分空港まで車で約30分
注目の支援制度 便利な立地の移住体験住宅
・木造平屋建て5K
・利用期間:30日以内
・利用料:1,000円/日(光熱水費、NHK受信料、インターネット接続料を含む)
・Wi-Fi完備
支援制度の公式HP ひじ暮らし体験住宅
小児医療費助成 通院:中学生まで、入院:中学生まで
介護保険料基準額 5,699円/月
病院数 3ヶ所
1万人あたり病床数 62.4床
保育所数 7ヶ所
介護老人福祉施設数 1ヶ所
1万人あたり飲食店 27.7ヶ所
気候(杵築) 1月 4月 7月 10月
平均気温 5.0℃ 13.4℃ 25.3℃ 17.7℃
平年降水量 42.5mm 120.5mm 252.3mm 87.0mm

玖珠郡玖珠町(くすまち)

大分県玖珠郡玖珠町

移住先では、自然に囲まれた環境で、人間的な魅力を持つ子供に育ってほしい。そのように考える保護者は多いとしても、学業をおろそかにできないのは確かです。玖珠町では、唯一の高校である玖珠美山高校の生徒を対象に、公営塾を設置しました。

玖珠美山高校に限定されるのは残念ですが、地域の人材育成と、高校の入学者確保が設置目的ですから仕方がないでしょう。町の委託で公営塾を運営しているのは、全国に学習塾を展開する民間事業者です。

人口 15,823人(平成22年~27年増減率:-7.2%)
地価水準(住宅地) 20,675円/㎡(平成27年~28年変動率:-0.9%)
主要交通など 豊後森駅(大分駅まで約1時間15分)、大分空港まで車で約1時間
注目の支援制度 高校生を対象にした無料の公営塾
・玖珠美山高校の生徒が対象
・無料で利用できる
・入退室管理システムで保護者にメール通知可能
支援制度の公式HP 玖珠志学塾
小児医療費助成 通院:中学生まで、入院:中学生まで
介護保険料基準額 5,950円/月
病院数 3ヶ所
1万人あたり病床数 88.2床
保育所数 6ヶ所(認定こども園)
介護老人福祉施設数 2ヶ所
1万人あたり飲食店 70.0ヶ所
気候 1月 4月 7月 10月
平均気温 2.4℃ 12.7℃ 25.2℃ 15.4℃
平年降水量 61.2mm 119.7mm 349.9mm 86.7mm
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すみとく!-住みたい街・国内移住データ【全国版】