都道府県 | 市区町村 | 65歳以上人口 | 定員数 | 1,000人あたり |
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北海道 | 有珠郡壮瞥町 | 1,009 | 270 | 267.6 |
東京都 | 西多摩郡日の出町 | 5,930 | 1,494 | 251.9 |
北海道 | 古宇郡神恵内村 | 373 | 86 | 230.6 |
北海道 | 紋別郡西興部村 | 370 | 80 | 216.2 |
東京都 | 西多摩郡檜原村 | 1,122 | 218 | 194.3 |
東京都 | 西多摩郡奥多摩町 | 2,567 | 475 | 185.0 |
北海道 | 虻田郡豊浦町 | 1,448 | 230 | 158.8 |
北海道 | 寿都郡黒松内町 | 1,068 | 160 | 149.8 |
群馬県 | 利根郡川場村 | 1,102 | 157 | 142.5 |
山口県 | 熊毛郡平生町 | 4,517 | 637 | 141.0 |
富山県 | 中新川郡舟橋村 | 572 | 80 | 139.9 |
愛知県 | 海部郡飛島村 | 1,316 | 180 | 136.8 |
北海道 | 樺戸郡月形町 | 1,326 | 180 | 135.7 |
高知県 | 安芸郡奈半利町 | 1,371 | 181 | 132.0 |
北海道 | 阿寒郡鶴居村 | 768 | 100 | 130.2 |
※65歳以上人口は平成30年1月1日住基人口
※定員数は平成29年、介護老人福祉施設定員数、介護老人保健施設定員数、介護療養型医療施設病床数の合計
高齢化社会になって、都市部はどこでも介護保険施設が不足しており、移住先での将来を考えると、施設の充実度は気になります。もしくは、現に要介護や要介護が近い状態なら、移住目的が施設利用ということもあるでしょう。
都市部でも郊外で作られやすい施設だけに、ランキング上位はほとんど町村です。介護保険施設は一般に住宅よりも広い敷地を必要とするので、コストの関係から町村のほうが建てやすく、療養に適した静かな環境もウリにできるメリットがあるからです。
例えば、東京都なら西東京に多いですし、政令指定都市では中心部から外れた区に多いのですが、大都市近郊はニーズが大きいので、各市区町村に介護保険施設が充実していることと、入所可能とはまた違う話でしょう。
第1位:北海道有珠郡壮瞥町(そうべつちょう)
壮瞥町は洞爺湖畔に位置し、静かな環境に加えて温泉地でもあるため、冬の厳しい北海道としては降雪が少なく過ごしやすい地域です。地域包括支援センターが、要介護者本人以外や家族等からの介護相談に応じています。
面白い施策としては、交通弱者となる高齢者に向け、予約制のコミュニティタクシー(乗り合いタクシー)があり、隣接する伊達市・洞爺湖町への通院が片道500円、町内が片道100円で利用できます。
また、施設に入所するほどではない人でも、生活習慣病健診(特定健診)が無料、町営の温泉は65歳以上が1回130円で入浴可能、除雪サービス、特別養護老人ホームでの入浴送迎など、高齢者向けの住民サービスを充実させています。
第2位:東京都西多摩郡日の出町(ひのでまち)
東京都の中でもかなり西に位置する日の出町ですが、1時間余りで都心まで行ける位置で、奥多摩の自然を楽しむために都心部からも人が訪れます。特に、日の出山から「初日の出」を見るために多くの人が集まります。
福祉の町として町づくりを進めており、75歳以上の保険診療を無料化、70歳~74歳も月2,000円を負担限度額として、残りは町が助成するという、極めて高齢者に優しい制度を設けています。
その上、子供にも18歳まで保険診療を助成しているので、日の出町では概ね働いている年齢の人しか保険診療の医療費がかかりません。
第3位:北海道古宇郡神恵内村(かもえないむら)
神恵内村は、人口が1,000人を割る小さな村です。介護老人福祉施設が隣接する泊村に存在するだけで、介護療養型医療施設は近隣の町村に存在せず、医療施設での介護療養が必要となった際は不便になります。
古くはニシン漁で栄えた神恵内村ですが、現在の財政状況は厳しく、歳入の多くを地方交付税交付金に頼ります。それでも、漁業資源は豊富で、夏には特産のウニを求めて観光客が、秋から春は札幌圏から釣り人が多く訪れます。
また、「DIYがっしゅく」と位置付けられた、土日を使って空き家の改修と村内の生活体験ができる移住者向け体験プログラムが、平成28年より始まりました。まずは村を訪れて、その魅力を知ってもらいたい。そんな思いが強い神恵内村です。
第4位:北海道紋別郡西興部村(にしおこっぺむら)
北海道の北東部、オホーツク海から内陸に入った場所に位置する西興部村は、人口1,100人ほどの酪農と林業を基幹産業とする小さな村です。自主財源が乏しい中でも、早くから行政改革と福祉サービスの向上に取り組みました。
この規模の村としては福祉施設が充実しており、村内に診療所・歯科がある他、デイサービス・ホームヘルパーも受けられます。18歳まで保険診療が無料なのも、子育て世代にはありがたいでしょう。
情報分野への投資も盛んで、全域を光ケーブルで結び、農業・福祉・教育分野に活用されています。人口は微減の傾向でしたが、平成27年は転入が転出を上回りました。
また、あまり知られていないところでは、ギターのボディ製造で世界のトップ企業、長野県に本社を持つ「フジゲン」が、西興部村に製造拠点を持っています(第三セクター)。そのため、ギター工場で働く若い世代も多いです。
第5位:東京都西多摩郡奥多摩町(おくたままち)
多摩地域でも最も奥(西)にある奥多摩町は、標高が高く気候が冷涼で、同じ東京都内とは思えないほど都心部との気候差が激しい地域です。町の全域が秩父多摩甲斐国立公園内という、自然豊かな町として知られています。
4つの介護老人福祉施設の他、ケアハウス、認知症高齢者のためのグループホーム、在宅サービスセンター、デイサービスセンターと、高齢者用の施設が豊富にあります。また、ケアマネージャがいる介護支援事業所も3ヶ所あります。
なお、冒頭でも説明したとおり、西東京は介護保険施設が充実しているので、奥多摩町に存在しない介護保険施設は、周辺市町村で十分にカバーできています。