都道府県 | 市区町村 | 人口 | 面積(㎢) | 人口密度 |
---|---|---|---|---|
埼玉県 | 蕨市 | 74,576 | 5.11 | 14594.1 |
東京都 | 武蔵野市 | 144,902 | 10.98 | 13196.9 |
東京都 | 狛江市 | 81,788 | 6.39 | 12799.4 |
東京都 | 西東京市 | 201,058 | 15.75 | 12765.6 |
大阪府 | 大阪市 | 2,702,432 | 225.30 | 11994.8 |
東京都 | 三鷹市 | 186,375 | 16.42 | 11350.5 |
大阪府 | 守口市 | 144,102 | 12.71 | 11337.7 |
大阪府 | 豊中市 | 405,974 | 36.39 | 11156.2 |
東京都 | 調布市 | 232,473 | 21.58 | 10772.6 |
東京都 | 小金井市 | 120,268 | 11.30 | 10643.2 |
東京都 | 国分寺市 | 121,673 | 11.46 | 10617.2 |
神奈川県 | 川崎市 | 1,488,031 | 143.01 | 10405.1 |
大阪府 | 吹田市 | 370,583 | 36.09 | 10268.3 |
大阪府 | 門真市 | 123,632 | 12.30 | 10051.4 |
千葉県 | 浦安市 | 167,938 | 17.30 | 9707.4 |
※人口は平成30年1月1日住基人口
※面積は平成30年全国都道府県市区町村別面積調
※東京23区を除く
人が集まるからには理由があるわけで、人口密度が高い市区町村は、交通網の整備で人が集まってきた経緯、商業施設の充実などで利便性が高く、消費活動による地域活性化、コンパクトな行政が可能といった、プラス材料が多くあります。
その反面、住環境の悪化や地価の上昇に繋がり、マイナス材料を重視する人は過密地域を敬遠するでしょう。したがって、人口密度の高さが移住に適しているというものではないですが、何かの参考にはなるはずです。
なお、人口密度だけで単純なランキングにすると、上位は東京都23区ばかりになる(特別区全体の人口密度でも全国1位になる)ため、東京23区は外しています。
第1位:埼玉県蕨市(わらびし)
埼玉県の中でも東京都区部に近く、全国で最も面積の小さい市でもあることから、常に人口密度は高い自治体です。過去30年以上、7万人前後で人口は変わっていませんが、将来的は人口減少が激しいと推測されています。
市の北東にはJR京浜東北線の蕨駅、市の南西から戸田市へ入ってすぐJR埼京線の戸田駅があります。この2つの路線は、赤羽駅で乗り換えできるため、蕨駅・戸田駅のどちらから乗車しても、上野・東京駅方面、池袋・新宿方面へのアクセスが容易です。
必然的に、蕨市に集まる人は、蕨市以外に通勤・通学する人が多く、7割は他の市区町村(主に東京都区部)へ移動します。住民アンケートでも、交通の便利さを評価する声が高いです。
また、蕨市は外国人の多い自治体で、国籍は中国、韓国・朝鮮、フィリピン、ベトナム以外には、クルド人(独自国家を持たない中東の民族)が多く、来日した先人たちによるコミュニティが形成されています。
第2位:東京都武蔵野市(むさしのし)
東京都の西部、吉祥寺がある市だと言えばすぐにわかる人もいるでしょうか。吉祥寺は、常に人気上位の街として有名なので、武蔵野市に住みたいと思っている人は非常に多いです。
蕨市に比べ面積が約2倍、人口も約2倍ですが、吉祥寺に巨大な商業街がある点、東京都区部と接する点で蕨市とは異なります。財政状況は極めて良好で住民の所得水準も高い市です。
吉祥寺からは、JR中央本線なら新宿へ、京王井の頭線なら渋谷へ乗り継ぎなしで行けること、武蔵野市ならびに周辺は大学が多いこと、緑が多く住環境が優れていることなどから、若者にも子育て世代にも人気があります。
第3位:東京都狛江市(こまえし)
東京23区で最も人口が多く、住宅街の世田谷区と隣接している狛江市は、世田谷区の東部と変わらない地理的条件が、住宅地としての評価を上げていると思われます。
というのも、狛江市は平成27年の刑法犯認知件数、1,000人あたり件数のいずれでも、上位の少なさとなっており、静かで治安が良いことは、誰もが求める居住条件でしょう。
狛江市の北は調布市、さらに北は三鷹市(その北は武蔵野市)なのですが、いずれも人口密度は高いです。よって、北から順に西東京市、武蔵野市、三鷹市、調布市、狛江市の特別区に隣接する5市は、いずれも全国トップクラスの人口密度です。
第3位:東京都西東京市(にしとうきょうし)
武蔵野市のすぐ北にある西東京市も、武蔵野市に匹敵する人口密度の高い地域です。多摩地区と特別区を結ぶ一帯が、いかに居住地として選ばれているのかを物語っています。
昭和後期からの人口増加を見ると、どの5年間でも4,000人~9,000人増加しており、平成22年~平成27年は3,500人ほどの増加に落ちましたが、現在でも人口増加は衰えていません。
吉祥寺のような商業地を持たないとはいえ、北部を西部池袋線、南部を西部新宿線が走ることで都心へのアクセスが容易な点は、人口過密地域に共通しています。緑も多く、特に人口密度が高い地域は田無町です(世田谷区と同レベルの人口密度)。
また、隣接する練馬区と武蔵野市、そして杉並区からの転入が多い一方で、転出は西東京市よりも西の多摩地区に向かう特徴があります。一度は西東京市に住んでみて、不満があればさらに都心から離れたより良い住環境を求めるのでしょう。
第5位:大阪府大阪市(おおさかし)
関西の中心地としての大阪市は、説明する必要もないでしょう。大阪市の中でも人口密度が高い区は、城東区、阿倍野区、東成区、西区、都島区の順です。
これらの区のうち、2010年~2040年の30年間で人口が増えるのは西区だけ、他の区は20%未満の人口減少と大阪市は推計しています。西区の人口増加が予想されるのは、再開発が進められているからです。
大阪市の中心を通り、オフィス街でもある御堂筋から、少し西に位置する南堀江・北堀江・新町付近には、30階建てクラスの高層マンションが次々と建てられてきました。非常に利便が良く、それなりに高い価格でも人気になっています。
大阪市の人口が右肩上がりで増えない限り、西区の人口増加と他区の人口減少はセットですから、これから人口が減る区は、割安感が出てくるのかもしれません。