人口1人あたり将来財政負担額ランキング

都道府県 市区町村 人口 将来財政負担額 1人あたり
北海道 古宇郡泊村 1,671 -6,619,492千円 -3,961,396円
長野県 南佐久郡南相木村 1,038 -3,333,494千円 -3,211,459円
新潟県 刈羽郡刈羽村 4,664 -12,857,491千円 -2,756,752円
宮城県 牡鹿郡女川町 6,637 -17,980,581千円 -2,709,143円
群馬県 多野郡上野村 1,223 -3,229,025千円 -2,640,249円
奈良県 吉野郡川上村 1,467 -3,636,775千円 -2,479,056円
佐賀県 東松浦郡玄海町 5,731 -11,719,365千円 -2,044,908円
東京都 西多摩郡檜原村 2,244 -4,127,709千円 -1,839,443円
愛知県 海部郡飛島村 4,705 -7,846,630千円 -1,667,722円
長野県 下伊那郡下條村 3,801 -6,288,058千円 -1,654,317円
三重県 三重郡川越町 15,028 -23,376,567千円 -1,555,534円
沖縄県 島尻郡南大東村 1,276 -1,965,941千円 -1,540,706円
東京都 千代田区 61,269 -85,607,714千円 -1,397,244円
群馬県 多野郡神流町 1,921 -2,624,119千円 -1,366,017円
徳島県 勝浦郡上勝町 1,582 -2,159,342千円 -1,364,944円

※人口は平成30年1月1日住基人口
※将来財政負担額は平成29年度市町村別決算状況調より計算
※将来財政負担額=地方債現在高+債務負担行為額-積立金現在高
※東日本大震災の被災自治体と人口1,000人未満の自治体を除く

自治体の財政状況を示す指標は数多くありますが、一般家庭の家計に置き換えてみると、借金はできるだけ少なく、貯蓄はできるだけ多くというのが理想でしょう。また、将来の決まった出費も少ないほど経済的な余裕に繋がります。

同じことが自治体にも言えるので、地方債現在高(借金)、積立金現在高(貯蓄)、債務負担行為額(将来の出費)を使って、人口あたりの将来財政負担額をランキングしてみました。この数値がマイナスの場合、借金+将来の出費を貯蓄が上回っています。

ただし、人口あたりの貯蓄が大きくても、人口の少ない自治体は総額も少ないことに注意してください。例えば、人口1,000人で5億円の貯蓄より、人口10,000人で50億円の貯蓄のほうが、大きな事業に投資しやすいと考えられます。

なお、このランキングは人口が少ないほど有利な傾向で、人口1,000人未満の自治体を除外しました。それでも町村が上位となるのは、発電所やダムのある自治体に、国から交付金が出るためです。

北海道古宇郡泊村(とまりむら)

北海道古宇郡泊村
積丹半島の西側付け根、泊原発がある泊村は、基幹となる産業に乏しい小さな海沿いの村です。原発のある他の自治体と同様に財政は豊かで、貯蓄が借金を大きく上回っているため、今のところ財政不安はありません。

定住促進・子育て支援や産業振興など、村では様々な事業に取り組んでいますが、人口減少に歯止めをかけることができず、2020年の目標人口1,850人に対し、2018年11月末の人口は1,658人と目標達成は難しい状況です。

ただ、積丹半島は北海道内でも海がきれいで有名な地域ですから、田舎暮らしに向いています(海好きは特に)。移住の最重要課題は、恐らく仕事になりそうなので、周辺自治体にも目を向けましょう。泊村からは岩内町・共和町への通学・通勤者が多いです。

長野県南佐久郡南相木村(みなみあいきむら)

南相木ダムのある南相木村は、周囲を山に囲まれた峡谷の地形で、南相木川の流域に集落が点在しています。決して大きな川ではないものの、渓流釣り師には人気河川なので、シーズン中はエサ・ルアー・フライ問わず釣り人が多いです。

北西部に隣接する小海町や、佐久地域の中心市となる佐久市への人口流出から、南相木村の人口は減り続けていますが、実は県外との関係では転入超過になっており、将来の展望が全くないわけではありません。

生活面では、村内の道路事情から小海町へ向かう県道2号が主な移動ルートで、生活物資の調達も小海町のスーパー等を利用することになります。現地を見に行く場合は、最長6泊7日まで無料の移住体験住宅を活用しましょう。

新潟県刈羽郡刈羽村(かりわむら)

新潟県の「刈羽」と聞いてピンときた人は、柏崎刈羽原発を想像したのではないでしょうか。世界最大級出力の柏崎刈羽原発があることで、刈羽村の財政力指数1.33は、全国13位です(平成26年度)。

また、刈羽村の財政で特徴的なのは、地方債現在高がずば抜けて少ないこと。ほとんど借金をすることなく運営できているのですから、絵に描いたような原発の恩恵だと言えるでしょう。

原発がある自治体は評価が二分すると思いますが、刈羽村は鉄道と北陸自動車道が通っていますし(新潟市まで車で約1時間)、隣には柏崎市があるので、買い物等に困ることも少ないです。海岸(柏崎市)にはサーフィンの好ポイントあり。

群馬県多野郡上野村(うえのむら)

群馬県の南西部、長野県と埼玉県との県境にあたる上野村は、上野ダムができたことで村の経済力が一変しました。平成の始めから定住対策に注力してきた上野村では、ダムによる経済的な後押しもあって、支援制度が充実しています。

定住を希望する後継者(45歳以下)には、低所得者に対する助成、住宅取得に対する助成、結婚祝金などの制度がありますので、詳しくは公式HPで確認してみてください。特に、低所得者への助成は、移住後の生活不安に力強い味方となります。

また、関東一の清流と言われる神流川、リゾートエリア「天空回廊」の上野スカイブリッジ(巨大な吊り橋)、不二洞(鍾乳洞)などの観光資源には、夏を中心に年間30万人ほどが訪れます。そのため、一般的な山村のイメージよりも人寂しさは少ないです。

奈良県吉野郡川上村(かわかみむら)

川上村には北東部に大滝ダム、南部に大迫ダムがあり、奈良・和歌山の重要な水源になっています。ダムまでの道路は国道なので整備されていますし、コミュニティバスも運行されていますが、車を持っていないと不便なのは確かです。

人口減少に危機感を感じた川上村は、川上ing作戦(かわかみんぐ作戦)と名付けられた移住促進プロジェクトを立ち上げました。住宅・仕事など移住支援を行った結果、平成26年度~29年度で、14世帯・39人が移住しています。

この実績は、自治体の規模と山村のハンデを考えた場合、極めて優秀な部類でしょう。川上村に恵まれている点があるとすれば、近鉄奈良線の大和上市駅(吉野町)に近く、大阪圏との連絡が比較的良いことです。

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