全国的に空き家問題が顕在化して、各自治体は空き家活用を積極的に進めたい意向です。そのため、移住者が空き家を活用してくれると、人口対策と空き家対策の一石二鳥になることから、空き家に対する改修費用の支援も行われています。
ただし、改修費用の支援は、対象を空き家バンク登録物件としている例が多く見られます。調査時点では、空き家バンク登録物件以外でも利用できる制度を選んで紹介していますが、確実なことは各自治体に問い合わせてください。
支援制度の仕組み
改修費用の支援は、ほとんどが補助金で行われています。補助金は予算に限りがあるため、年度末など申請時期によっては、予算オーバーで申請を受け付けないケースも起こりますので、公式HPなどで随時確認しましょう。
また、補助金は工事前に交付申請をしないと貰えない仕組みです。たとえ補助対象の工事であっても、既に着手済みの工事は対象外とされます。
【改修費用の支援を受ける流れ】
- 工事の見積もりを取る
- 補助金の申請
- 補助金の交付決定を受ける
- 工事開始
- 工事完了後に実績報告
- 補助金が交付される
改修費用として認められる工事は、基本的に住宅本体の改修工事だけで、塀・門・庭などいわゆるエクステリアや、車庫・物置など非居住部分の工事は補助の対象外としている自治体が多いです。
この支援制度を設けている主な自治体
これから紹介する自治体は、「補助率が高い」もしくは「上限額が高い」基準で選びました。補助率とは、工事費が補助される割合のことで、単純に上限額で選んでしまうと、工事費によっては上限まで貰えないことに注意してください。
例えば、補助率20%で上限100万円の制度では、100万円の支援を受けるために500万円以上の工事費を必要としますが、補助率80%なら125万円以上の工事費で100万円の支援を受けられるということです。
岡山県新見市(にいみし)
戸建てに限られるとはいえ、上限300万円の補助は非常に魅力で、リフォームだけではなくリノベーションも視野に入ってくるでしょう。購入(上限200万円)も別枠の補助対象になっており、購入と改修それぞれで補助金を受けることが可能です。
支援の主な条件 | ・個人の戸建てのみ ・市内業者による工事 ・30万円以上の工事費 |
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支援内容 | 改修費用の1/2(上限300万円) |
公式HP | 空き家活用推進事業補助金について |
三重県伊勢市(いせし)
上限額の200万円もさることながら、補助率が2/3と高く、300万円以上の工事費で上限に達します。他に限定される条件が少ない上に、移住とみなされる基準も三重県外で6ヶ月以上在住と短いです(一般的には数年の自治体外在住が基準)。
支援の主な条件 | ・賃貸共同住宅を除く空き家 ・原則として市内業者による工事 |
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支援内容 | 改修費用の2/3(上限200万円) |
公式HP | 伊勢市移住促進対策空き家改修支援事業 |
長崎県西海市(さいかいし)
上限120万円と少ない印象を与えますが、補助率が4/5なので小規模なリフォームでも十分に支援を受けられます。また、木造と鉄骨造に限られている(RC造が含まれていない)点は、RC造の戸建てが少ないため気にならないでしょう。
支援の主な条件 | ・戸建てのみ ・木造または鉄骨造 ・市内業者による工事 ・10万円以上の工事費 |
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支援内容 | 改修費用の4/5(上限120万円) |
公式HP | 空き家改修費の補助制度を創設しました! |
岐阜県飛騨市(ひだし)
補助率1/3ならびに上限100万円は、他に取り上げた自治体が優れているため見劣りしますが、概ね標準的な改修費用の支援と考えて良い水準です。市内に二親等以内の親族(親・祖父母・兄弟姉妹・子・孫など)が居住していると使えません。
支援の主な条件 | ・市内業者による工事 ・10万円以上の工事費 |
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支援内容 | 改修費用の1/3(上限100万円) |
公式HP | 飛騨市移住促進住宅改修事業補助金 |
高知県高岡郡中土佐町(なかとさちょう)
上限100万円は特筆すべき金額ではないのに対し、補助率が10/10と全額補助なのが際立っています。さらに、改修費用以外に空き家の荷物整理(運搬・処分)費用なども対象なので、用途が広くかなり使いやすい制度です。
支援の主な条件 | 改修の場合は原則として町内業者による工事 |
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支援内容 | 改修等費用の10/10(上限100万円) |
公式HP | 中土佐町移住者住宅改修等補助金 |