緊急通報システムで高齢者の生活を支援

核家族化が進んだことで、三世代が同居する世帯は減少しました。現在では、就職や結婚のタイミングで、親と離れて暮らす生活スタイルが一般的でしょう。

いわゆる「実家」に、年老いた親を残している状態ですが、いずれは自分にも降りかかってくる問題です。1人で移住する人はもちろん、夫婦で移住しても子供たちと移住しても、いつの日か子供たちは巣立ち、配偶者は要介護になるか亡くなるかもしれません。

緊急通報システムによる安否確認や、緊急時の駆け付けは、高齢者本人の安心だけではなく、離れて暮らす子供や親族等の安心にも繋がるので、積極的に導入している自治体を選ぶべきです。

支援制度の仕組み

緊急通報システムは、住宅に設置する通信機器からの簡単なボタン操作によって、24時間体制の通報先へ、電話回線を通じて繋がる仕組みです。通信機器の貸与・設置を自治体が支援します。

また、自治体によっては基本の通信機器以外にも、次のようなオプション機器を含みます。オプション機器は、最初から含まれているケースもあれば、料金を払って追加する場合もあって、自治体の運用しだいです。

【緊急通報システムのオプション機器】

  • ペンダント型の通信機器
  • 携帯電話型の通信機器
  • 人感センサー
  • 火災センサー
  • ガス漏れセンサー

通報先になるのは、自治体が委託する主に警備会社などで、通報先から協力員(近隣に在住する親族など)へ連絡が行くか、通報先が呼びかけても反応がない場合、救急車の出動要請や警備員が駆け付けることもあります。

この支援制度を設けている主な自治体

緊急通報システムは、1人暮らしの高齢者や重度の要介護者世帯などに提供されるため、住民全員が受けられるサービスではありません。特定の人を対象にしたサービスは、不公平が生じないように、受益者負担の原則から有料とするのが基本です。

したがって、設置費用・保守費用を有料、もしくは毎月の利用料を設定している自治体は多いのですが、今回は一部でも無料にしているか、サービスに比べて安価な利用料で絞り込んでいます。

北海道帯広市(おびひろし)

北海道帯広市
機器の設置費用を無料にしている自治体は多くても、通話料まで無料にしている自治体は少ないので選びました。位置情報付きの携帯電話型が使えるのも、通院などで外出する可能性がある高齢者には良いでしょう。

支援の主な条件 ・65歳以上の一人暮らしで日常生活に注意を要する
・65歳以上の高齢者のみ世帯で寝たきり及び認知症の人を病弱な高齢者が介護している
支援内容 ・据え置き型+ペンダント型、または携帯電話型(位置情報付)
・急病時に救急車の手配や入院等の情報を家族に提供
・月に1回程度「お元気コール」で健康状態を確認
・健康相談や話し相手のサービス
自己負担 ・設置費用無料
・通報装置の通話料無料
・機器の破損、紛失、転居による移設費用有料
公式HP 緊急通報システム

千葉県千葉市(ちばし)

千葉県千葉市
安否確認センサーと火災センサーまで付いて、設置費用が無料になっています。さらに良いのは、希望者にメール配信してくれることで、何か起こってから連絡をくれる「異常通知」ではなく、定期連絡をくれるのが優れています。

支援の主な条件 ・概ね65歳以上の一人暮らし(同居人が重度の要介護者である場合を含む)
・1人以上の協力員を登録できる
支援内容 ・据え置き型+ペンダント型
・安否確認センサー(トイレ等の扉に設置して開閉確認)
・火災センサー
・希望者にはメール配信(定期連絡または異常通知)
自己負担 ・設置費用無料
・定期通信:月額約40円~50円
・ボタン押下時やセンサー反応時:1回につき約10円
・設置当日約200円の通話料(通信試験)
公式HP 高齢者緊急通報システムのご案内

宮城県仙台市(せんだいし)

宮城県仙台市
仙台市の緊急通報システムは、協力員方式と警備員方式の2つありましたが、平成27年2月以降は警備員方式になりました。委託された警備会社が通報を受け、消防署等への出動要請や警備員の派遣を行うシステムで、利用料(委託料)の自己負担があります。

支援の主な条件 ・65歳以上の一人暮らしで日常生活に注意を要する(日中に一人暮らしとなる場合も対象)
・65歳以上で緊急時に対応できる同居人がいない(要介護者など)
支援内容 ・据え置き型+ペンダント型
・火災センサー(熱・煙)
・ガス漏れセンサー
自己負担 ・設置費用無料
・利用料月額525円
公式HP 緊急通報システム機器の貸し出し

滋賀県彦根市(ひこねし)

滋賀県彦根市
彦根市の緊急通報システムでは、委託会社がナースコールセンターを持っており、緊急通報に加えて健康相談も可能です。何かと体調の変化が多い高齢者にとって、月額118円の利用料で24時間健康相談できるシステムだけでも重宝するでしょう。

支援の主な条件 ・65歳以上の一人暮らし
・65歳以上の高齢者世帯
・一人暮らしの在宅重度身体障害者
・世帯員が在宅重度身体障害者のみ
※上記で日常生活に不安のある高齢者・障害者
・3人の協力員登録
支援内容 ・据え置き型+ペンダント型
・健康相談
・受信センターから毎月安否確認の電話連絡
自己負担 ・利用料月額118円
・通話料、機器の故障、破損、紛失は有料
公式HP 彦根市緊急通報システム

大阪府八尾市(やおし)

大阪府八尾市
健康相談ができるとはいえ、月額1,200円と他の自治体よりもかなり利用料は高いのですが、年齢条件が60歳以上と低いことを評価しました。全国的に見て、緊急通報システムの利用対象者は65歳以上がスタンダードです。

支援の主な条件 ・60歳以上の一人暮らしで緊急時の対応に不安がある
・高齢者のみ世帯で一方が要介護等で緊急時に対応できない
支援内容 ・据え置き型+ペンダント型
・健康相談
自己負担 月額1,200円
公式HP 緊急通報システム
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