人口1人あたりふるさと納税収支ランキング

都道府県 市区町村 人口 ふるさと納税収支 1人あたり
長野県 北安曇郡小谷村 3,042 1,361,215,434 447,474
高知県 安芸郡奈半利町 3,359 960,509,654 285,951
宮崎県 児湯郡都農町 10,818 2,024,004,541 187,096
北海道 河東郡上士幌町 4,917 892,516,208 181,516
佐賀県 三養基郡上峰町 9,591 1,340,779,543 139,796
千葉県 勝浦市 18,514 2,240,068,754 120,993
和歌山県 東牟婁郡北山村 453 49,453,486 109,169
群馬県 吾妻郡草津町 6,595 617,630,620 93,651
岡山県 真庭郡新庄村 953 83,978,930 88,121
北海道 寿都郡寿都町 3,094 250,899,442 81,092
北海道 礼文郡礼文町 2,629 184,077,678 70,018
和歌山県 伊都郡高野町 3,243 201,490,827 62,131
北海道 根室市 27,018 1,544,920,438 57,181
広島県 神石郡神石高原町 9,534 521,666,050 54,716
北海道 増毛郡増毛町 4,606 251,773,217 54,662

※人口は平成29年1月1日住基人口
※ふるさと納税収支は平成28年度分を総務省公表値より計算
※ふるさと納税収支=寄付受入金額-返礼品等経費-住民税控除額

本来の制度趣旨とは異なりますが、返礼品を目的としたふるさと納税の利用者が増えたことで、良くも悪くも自治体財政に大きな影響を与えるようになりました。人口減・財政難に苦しむ過疎の自治体にとって、今やふるさと納税は増収の手段です。

また、地域の特産品を返礼品にすることは、地場産業の維持・拡大にも繋がり、経済的な好循環が見込まれるのも大きいでしょう。その反面、人口の多い大都市圏では、ふるさと納税による住民税の控除が、深刻な税収減をもたらしています。

移住の観点でふるさと納税を考えた場合、雇用創出や住民サービスの向上が見込まれるため、収支がプラスの自治体を選ぶのは間違いではありません。どの自治体も、ふるさと納税による増収を基金に積み立てて、将来に備えているからです。

現状の制度がいつまで続くかわかりませんが、ランキング上位の自治体については、ふるさと納税が使われた主な分野も紹介していますので参考にしてください。

第1位:長野県北安曇郡小谷村(おたりむら)

長野県の山間部にある小谷村は、南はスキー場で有名な白馬村、北は新潟県糸魚川市に接する人口約3千人の小さな村です。しかしながら、平成28年度はふるさと納税で27億円を超える寄付を集め、人口1人あたりでは頭一つ抜けた金額になっています。

【ふるさと納税が使われた主な分野】

  • 観光・交流・定住促進
  • 健康・医療・福祉
  • スポーツ・文化振興

小谷村がふるさと納税で成功した理由は、山間部の村らしく、アウトドア製品のブランドと連携したことです。具体的には、該当ブランドのオンラインショップ等で、金銭同様に使えるポイントを返礼品としたことが、爆発的な寄付を呼び込みました。

その手法の是非はともかく、これだけの小さな村が多額の寄付金を集めたことは、長期間の安定財政を期待できるはずです。平成28年度は、約1億円を事業費に充当しましたが、既存基金で間に合ったため、増収分は全て基金に積み立てられています。

生活面では、日本海沿岸の糸魚川市まで車で約45分と、長野市・松本市よりも近いことで、糸魚川市に頼る面が大きいでしょう。海がない長野県にしては、海と近く新鮮な海産物が手に入りやすい環境です。

第2位:高知県安芸郡奈半利町(なはりちょう)

奈半利町のふるさと納税への取り組みは積極的で、返礼品の数が多く還元率も高いとして、平成27年度から注目されはじめました。特に、楽天経由での寄付を受け付けてからは、利用者が急増した経緯もあります。

【ふるさと納税が使われた主な分野】

  • 地域・産業振興
  • 教育・人づくり
  • 安心・安全・防災

ただし、町の産業振興がふるさと納税頼みになっている点は否めず、還元率を3割以下に抑える国の通知もあって、この勢いが続くとは限りません。ふるさと納税の恩恵による雇用創出や所得向上は、他の自治体に競争で負けると縮小します。

それでも、奈半利市の場合には、平成27年度13億円、平成28年度20億円、平成29年度39億円と、既に十分な蓄えができるだけの寄付を受けており、当面の心配よりも今後の産業育成や町おこしが課題となるのでしょう。

場所は室戸岬の西側付け根、奈半利駅を始発・終着とする土佐くろしお鉄道があるので、時間はかかりますが高知市内への公共交通は確保されています(約1時間20分)。下見や生活体験には、奈半利駅のすぐ近くにある移住体験住宅が便利です。

第3位:宮崎県児湯郡都農町(つのちょう)

宮崎市と延岡市の中間、日向灘に面するのが都農町です。平成28年度に全国4位の50億円、平成29年度は全国2位の79億円が集まりました。奈半利町と同じく、楽天のふるさと納税参入から爆発的に寄付の増えた自治体です。

【ふるさと納税が使われた主な分野】

  • 観光・交流・定住促進
  • スポーツ・文化振興
  • 地域・産業振興

特産品は宮崎牛、トマト、町産ぶどうのワインなどですが、目の前が日向灘ですから、当然に海産物も豊富で、都農町は食材の宝庫と言えるでしょう。ふるさと納税の成功で、地元業者は大いにモチベーションが高まっています。

町内は、海岸部を走る日豊本線に並行して、少し内陸に国道10号が走っており、中心部は国道寄りです。ただ、都農駅から中心部までは500mほどしかないので、国道近くに住んでも、鉄道の利用が不便になるほどではありません。

また、定住促進として住宅取得に最大100万円、土地区画整理事業による保留地(宅地造成や道路整備済みの土地)取得に最大210万円、リフォーム助成、家賃助成など住宅分野に手厚い支援もあるので、公式HP等で確認してみてください。

第4位:北海道河東郡上士幌町(かみしほろちょう)

日本有数の穀倉地帯、北海道の十勝地方にある上士幌町は、ふるさと納税が注目され始めた数年前には全国上位の常連でした。特産品の「十勝ナイタイ和牛」を、早い段階から返礼品にしたことが、寄付金を多く集めた理由です。

【ふるさと納税が使われた主な分野】

  • 子ども・子育て
  • 地域・産業振興
  • 健康・医療・福祉

平成29年度は、後発組に押されて金額を減らしていますが、それでも人口5千人弱の小さな町なので、累積の寄付金額だけでも、お釣りがくるほど潤ったと言えるでしょう。

注目したいのは、上士幌町が上位の3自治体と異なり、ふるさと納税の寄付金を子育て分野に多く配分していることです。実際に、平成27年8月1日からは、小児医療費助成を高校生までに拡充しています。

その他にも、公営塾の開設、認定こども園の無償化など、ふるさと納税のおかげで、上士幌町の子育て環境はずいぶんと向上しました。見渡す限りの畑が広がる上士幌町で、北海道生活を満喫するのも悪くありません。帯広市まで車で約50分です。

第5位:佐賀県三養基郡上峰町(かみみねちょう)

平成26年度には40万円しか寄付がなかった上峰町ですが、特産の佐賀牛をはじめ、高い還元率の返礼品戦略が成功し、平成27年度に21億円と急増しました。その後も寄付金額は増え続け、平成28年度は45億円、平成29年度が66億円です。

【ふるさと納税が使われた主な分野】

  • 教育・人づくり
  • まちづくり・市民活動
  • 町長に一任

ところが、平成28年度の45億円に対し、経費は32億円もかかっており(うち返礼品の調達費用に28億円)、収支はプラス13億円しかありません。町の財政規模を考えると、それでも十分だとはいえ、還元率の高さが良くわかるでしょう。

このように、還元率競争の勝ち組として上峰町を紹介してしまうと、あまり良いイメージを持たないかもしれませんが、移住先としての上峰町は評価できます。その理由は、上峰町が佐賀県の東部地域にあるからです。

佐賀県の東部地域は、県庁所在地の佐賀市、福岡県筑後地方の中心となる久留米市に加え、150万都市の福岡市にもアクセスに優れています。上峰町だけを見るのではなく、少し広域に捉えることで、住みやすそうな町だと感じられるのではないでしょうか。