市区町村外の従業率ランキング

都道府県 市区町村 就業者数 市区町村外で従業 市区町村外従業率
富山県 中新川郡舟橋村 1,521 1,245 81.9%
奈良県 生駒郡安堵町 3,387 2,721 80.3%
千葉県 印旛郡酒々井町 9,903 7,668 77.4%
奈良県 北葛城郡上牧町 9,523 7,371 77.4%
奈良県 北葛城郡王寺町 9,508 7,359 77.4%
大阪府 豊能郡豊能町 9,553 7,389 77.3%
宮城県 宮城郡七ヶ浜町 9,398 7,259 77.2%
奈良県 北葛城郡河合町 7,334 5,663 77.2%
奈良県 生駒郡三郷町 9,392 7,181 76.5%
大阪府 三島郡島本町 13,157 9,935 75.5%
奈良県 磯城郡三宅町 3,124 2,338 74.8%
兵庫県 芦屋市 40,469 30,249 74.7%
埼玉県 比企郡鳩山町 7,161 5,343 74.6%
三重県 三重郡朝日町 4,436 3,309 74.6%
茨城県 北相馬郡利根町 7,744 5,738 74.1%

※就業者数、市区町村外従業数は平成22年国勢調査

市区町村外の従業率が高いことは、必ずしも悪いとは限りません。なぜなら、都市部周辺においては、ベッドタウンとして閑静な住宅地のニーズが高く、そのような市区町村は、むしろ住みやすい地域が多いからです。

それでも、市区町村内の産業が弱いことで税収が少ない、通勤に少なからず時間がかかるといったデメリットもあるので一長一短でしょうか。

また、奈良県北西部の町が上位に複数入っており、近隣の他町も上位です。奈良県北西部では、連なった複数の町を取り囲む形で市が存在するので、仕事は市へ通勤、生活は町に戻るというスタイルが成り立っています。

なお、データが平成22年のため、正確な現状ではないことに注意してください。

第1位:富山県中新川郡舟橋村(ふなはしむら)

富山県中新川郡舟橋村
日本で最も面積が小さく(3.47㎢)、広域の地図では見失ってしまうほどの舟橋村は、富山平野のほぼ中央、富山市に隣接することで、富山市への通勤が多くなっています。

その契機となったのは昭和63年。それまで市街化調整区域で宅地開発が制限されていた舟橋村は、市街化調整区域の除外を受けて、平成元年から宅地開発が始まります。

当初は村での宅地開発、徐々に民間でも大規模な宅地開発に繋がって、村外からどんどん子育て世代が流入してきました。その結果、未成年人口比率が全国トップクラスです。

「マイホーム」と「子育て環境」を求めて増え続けた人口は、平成20年以降横ばいとなり、平成27年に僅かな転出超過となりましたが、質の高い子育て支援環境を整えることで、近隣市町村との差別化を図る計画を舟橋村は立てています。

第2位:奈良県生駒郡安堵町(あんどちょう)

奈良県生駒郡安堵町
奈良県北西部の安堵町は、隣接する大和郡山市、大和郡山市を挟んだ奈良市への通勤が多い人口7,600人ほど(平成28年)の町です。近年は人口減少の傾向にありますが、昭和後期から平成当初にかけては、急激に人口を増やしていました。

のどかな田園が広がり、主な産業を持たない安堵町では、近隣市町への通勤を余儀なくされる一方で、静かで治安の良い住環境が評価されています。

しかし、安堵町には鉄道の駅がなく、JR関西本線(大和路線)の法隆寺駅・大和小泉駅、近鉄橿原線の平端駅・ファミリー公園前駅など町外の駅を利用します。また、町内の北東から南西にかけて走る西名阪自動車道も、町内にICがありません。

したがって、遠出をすると必ず周辺市町にある交通拠点との往復が不可欠になります。交通の不便さは、住民アンケートでも不満点に挙げられているのですが、町だけで抜本的な対策はできず、安価なコミュニティバスを運行してカバーする状況です。

第3位:千葉県印旛郡酒々井町(しすいまち)

千葉県印旛郡酒々井町
主な通勤先は成田市、佐倉市、印西市、千葉市、富里市など県内近隣市、そして通勤圏内に入る東京都区部への通勤も多い酒々井町は、人口21,000人程度(平成28年)の千葉県内では小さな自治体です。

町の南東部に大型アウトレットモール(酒々井プレミアム・アウトレット)ができたことで、雇用や集客に繋がっているのですが、元々は成田空港の開港に合わせて、宅地造成等の住宅開発が進められた地域なので、町外での従業がメインです。

JR成田線と総武本線、京成本線、東関東自動車道と交通の便が良く、酒々井町は近隣市のベッドタウンとして発展しました。平成7年には人口が2万人を超え、以降は20年間人口を維持する状態で現在に至ります。

また、人口移動の大半は、印西市にある順天堂大学の学生が、定期的に転入・転出することによるもので、その他の世代にとっては長く住み続ける町になっています。

第4位:奈良県北葛城郡上牧町(かんまきちょう)

奈良県北葛城郡上牧町
上牧町は、2位の安堵町、5位の王寺町と共に、奈良県北西部に連なる町の1つです。地理的に大阪府と近いことで、県内の香芝市、奈良市、大和郡山市だけではなく、大阪市、東大阪市、八尾市といった大阪府内の市にも通勤圏内です。

ただし、町内に鉄道駅がなく、JR関西本線(大和路線)の王寺駅、近鉄田原本線の新王寺駅、近鉄大阪線の五位堂駅まで、バスでのアクセスとなる点は、安堵町と同じく不便を強いられるでしょう。

上牧町はそれほど少子高齢化が進んでおらず、平均年齢も県内では若いですが、合計特殊出生率が特に低い(平成20年~平成24年が1.09)ので、今後はその影響が色濃く出てくると予想されます。

また、財政状況があまり良くない点も懸念され、一般財源に対する経費の割合が高い、財政規模に対する負債が大きいといった弱さもあって、企業誘致による雇用創出など、町の税収を上げていく施策が求められています。

第5位:奈良県北葛城郡王寺町(おうじちょう)

奈良県北葛城郡王寺町
上牧町と隣接する王寺町ですが、大阪府柏原市とも隣接することで、大阪府への通勤も非常に多い地域です。地理的条件は周辺の町とそれほど変わりませんが、王寺町が大きく異なるのは、鉄道網の要所となっていることです。

JR関西本線(大和路線)と和歌山線の王寺駅、近鉄生駒線の王寺駅、近鉄田原本線の新王寺駅と3つの駅を抱え、JRは約24,000人、近鉄の両駅で約17,000人、延べ4万人以上が毎日乗降します。

一見すると、利便性が高く人口は集中しそうなのに対し、王寺町の人口は減り続けていました。国勢調査での人口ピークは平成7年の24,574人で、平成22年には22,182人まで減ります。

しかしながら、平成22年から住宅開発が進んだことで人口は再び増加に向かい、平成27年は23,025人まで戻しています。これだけの利便性を持つ町ですから、駅周辺の再整備など、人口誘引の起爆剤となる材料も多く、今後の開発次第でしょう。