都道府県 | 市区町村 | 人口 | 65歳以上人口 | 65歳以上人口比率 |
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群馬県 | 甘楽郡南牧村 | 1,935 | 1,190 | 61.5% |
長野県 | 下伊那郡天龍村 | 1,355 | 806 | 59.5% |
群馬県 | 多野郡神流町 | 1,921 | 1,111 | 57.8% |
奈良県 | 吉野郡川上村 | 1,467 | 846 | 57.7% |
高知県 | 長岡郡大豊町 | 3,817 | 2,137 | 56.0% |
山口県 | 熊毛郡上関町 | 2,867 | 1,596 | 55.7% |
奈良県 | 宇陀郡御杖村 | 1,690 | 925 | 54.7% |
奈良県 | 吉野郡東吉野村 | 1,832 | 994 | 54.3% |
高知県 | 吾川郡仁淀川町 | 5,555 | 2,974 | 53.5% |
徳島県 | 勝浦郡上勝町 | 1,582 | 832 | 52.6% |
山口県 | 大島郡周防大島町 | 16,756 | 8,798 | 52.5% |
和歌山県 | 東牟婁郡古座川町 | 2,802 | 1,456 | 52.0% |
青森県 | 東津軽郡今別町 | 2,759 | 1,428 | 51.8% |
奈良県 | 吉野郡黒滝村 | 737 | 375 | 50.9% |
北海道 | 夕張市 | 8,362 | 4,227 | 50.6% |
※人口、65歳以上人口は平成30年1月1日住基人口
※福島県を除く
65歳以上の人口が50%を超える自治体は、存続が難しい限界集落にならって限界自治体と呼ばれますが、財政的に苦しい限界自治体でも、地方交付税で補われるため、破綻するようなことは考えにくいです。
高齢化が進んだ自治体ということで、移住には不向きだと思うかもしれませんが、これは考え方ひとつでしょう。都会で消耗した人達の中には、山里でのどかに暮らす希望を持っている人が多く、限界自治体は現役世代のニーズが特に高いからです。
しかし、現実の暮らしは憧れるようなスローライフではなく、不便な地域で生きていく「たくましさ」と「互助の精神」が欠かせません。むしろ、コミュニケーション能力は都市部よりも必要となるくらいで、夢を見すぎないようにしたいところです。
第1位:群馬県甘楽郡南牧村(なんもくむら)
南牧村の平成27年国勢調査人口は1,979人、平成30年2月の人口は1,920人(南牧村公表値)。つまり、南牧村の人口は今も減り続けていることになりますが、高齢化率日本一をポジティブに捉え、状況は少しずつ変わろうとしています。
知名度が上がったことを逆手に取り、道路・ネット環境、住民サービスの充実といった生活環境の向上や、古民家を活用した移住体験住宅を展開することで、徐々に移住者は増えてきました。
ネックとなるのは間違いなく仕事ですから、村内で働くことができるのか、村外に通勤するとすればどこまでが行ける範囲かなど、必ず現地に行って確認しておきましょう。また、南牧村は支援制度が非常に手厚いです。
第2位:長野県下伊那郡天龍村(てんりゅうむら)
天龍村があるのは南北に広い長野県の南端で、愛知県・静岡県に近く、雪の多い長野県にしては暖かいです。起伏の激しい山林が広がり、天竜川沿いの僅かな平地に集落や耕地がある典型的な山村ですが、鉄道が利用できるのは救いでしょう。
村の中心部にある平岡駅からは、1日10本程度の列車(特急を含む)が発着します。しかし、最も近い市の飯田市まで45分~1時間10分、愛知県豊橋市までは2時間~3時間かかるので、毎日利用するには不便です。
したがって、仕事面においては、1位の南牧村よりも条件が厳しいかもしれません。住宅補助、子育て支援、村外への通勤費・通学費補助など支援制度は手厚いですが、それだけでは移住できないので、確かな生活基盤が求められます。
第3位:群馬県多野郡神流町(かんなまち)
神流町を流れる神流川は、関東屈指の清流と言われるだけあり、釣り・キャンプ・レジャーなどで県外からも多くの人が訪れます。夏には川遊びイベントが行われているので、関東圏の人なら訪れたことがあるでしょうか。
南牧村と隣接し、似たような生活環境の神流町ですが、神流町は南牧村よりも東京寄りなので、埼玉県秩父市まで出てしまえば(車で約1時間)、西武秩父線で東京都内へアクセスしやすくなります。
ただし、秩父市へ向かう国道299号は、志賀坂峠を越えることになるため、決して走行が楽なルートではありません。現地を訪れず、地図だけ見て移住先をイメージすると、こうした落とし穴にはまるので注意してください。
第4位:奈良県吉野郡川上村(かわかみむら)
吉野川の源流域にあたる川上村は、冬の最低気温がマイナスになるほど冷え込む山村です。村内はコミュニティバスで移動できますが、村役場のある北東部と、山深い南西部では生活利便性が大きく異なります。
その理由は、北東部が桜などの観光で有名な吉野町と隣接しており、近鉄奈良線の大和上市駅を利用しやすいからです(車で約20分)。大和上市駅からは、最速1時間半で大阪市中心部へ行けますので、何かと利用する機会が多いでしょう。
また、移住を考えている単身の若者向けに、シェアハウス2室が整備されました。家賃月額12,000円、共益費月額6,000円と安く、最長5年まで利用できます。
第5位:高知県長岡郡大豊町(おおとよちょう)
高知県の北東部、愛媛県と徳島県との県境に位置する大豊町は、香川方面と高知方面を結ぶ交通の大動脈が町内を通っており、交通インフラには恵まれているにもかかわらず、高齢化が進んでいます。
この点において、他の限界自治体と比べると、大豊町はまだ生活しやすい環境とも言えるのですが、平地の少ない山岳地帯で農林業を中心とした産業構造は、時代の流れから衰退を止められないのかもしれません。
中心部にある大杉駅からは、平日19本(特急含む)の列車があるので、近隣市への通勤は十分可能です。高速道路を使った場合の所要時間は、高知市(約40分)、南国市・香美市(約30分)、愛媛県四国中央市(約35分)と1時間以内です。