全国的に少子化が進んでいる今、統廃合によって学校は減り続けています。学校が減るとそれだけ校区が広くなり、学校まで遠くなる子供が出てくるので、通学の負担は増えていきますよね。
中学生にもなれば、少しくらい遠くても自転車で通うことはできますが、小学校低学年では、スクールバス等の交通機関を利用するか、保護者の送迎が不可欠でしょう。その負担は、必ず保護者に回ってきます。
小中学校の設置主体は市区町村で、市区町村が適正な配置を判断することになっています。したがって、徒歩で通える位置に学校がないのは、市区町村の判断とも言えるのですから、遠距離通学で負担が重い子供について補助制度が用意されています。
支援制度の仕組み
法令では、小学校が概ね4km以内、中学校は概ね6km以内を適正な通学距離としています。そのため、遠距離通学を補助している自治体は、小学生が4km以上、中学生は6km以上を条件としているケースが多いです。
また、高校生への通学補助については、高校に校区がないことや、望んで自治体外の高校へ通う生徒も多数存在する一方で、高校がない自治体もあることから、保護者への負担を軽減する目的で補助される場合もあります。
【遠距離通学支援の主な方法】
- 徒歩通学や自転車通学は一定金額を支援
- 交通機関の定期券料金の一定割合を支援
- 自家用車送迎は合理的な算定方法で支援
- 通学用自転車やヘルメットの購入費を支援
- 通学距離に応じて加算された金額を支援
他には、単に遠距離通学への補助ではなく、路線バスの維持を目的として、高校生等を対象に通学費用を補助している場合があります。これは、主に過疎地域など、路線バスの営業区域から外れるおそれのある地域特有の事情からです。
この支援制度を設けている主な自治体
大人でも4kmを歩くのに1時間かかることを考えれば、小学生は4km未満でも補助している自治体を選びたいところです。紹介している自治体は、補助金額だけで選んでいるのではなく、支援方法の種類が異なるようにしています。
ただし、通学費用が増える高校生からの補助としている自治体も多いので、小中学生を対象に補助している自治体を選びました。
香川県仲多度郡まんのう町(まんのうちょう)
小学生が2km以上と条件が緩く、なおかつ高校生まで補助しています(高校生の補助目的は路線バスの利用促進)。徒歩と自転車に対する金額はともかく、小中学生のバス通学が全額補助されるので悪くない水準です。
支援の主な条件 | ・小学生:2km以上 ・中学生:4km以上 ・高校生:バス通学 |
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支援内容 | ・小学生:徒歩と自転車は年額3,000円、バスは全額 ・中学生:自転車は通学距離に応じて年額5,000円~14,000円、バスは全額 ・高校生:定期券料金の2/3(年額上限10万円) |
公式HP | 遠距離通学費補助事業 高校生バス通学補助のおしらせ |
北海道紋別郡湧別町(ゆうべつちょう)
補助要件はバス通学に限定されていますが全額補助になる点と、中学生でも2kmを超えれば補助対象になる点で選びました。中学生で2km(徒歩で約30分)という通学距離は、決して遠いとは言えないので、良い待遇ではないでしょうか。
支援の主な条件 | 小中学生で2kmを超えるバス通学 |
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支援内容 | 在籍期間に該当する定期券料金の全額 |
公式HP | 就園・就学・通学に関する補助制度 |
千葉県佐倉市(さくらし)
少額の自己負担額はあるものの、ほぼ全額の補助を受けられます。定期券の発行がない交通機関も対象にしている点は、あまり他の自治体で見られず、乗車証明の手間はかかりますが実費で補助されます。
支援の主な条件 | ・小学生:3km以上の交通機関利用 ・中学生:5km以上の交通機関利用 |
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支援内容 | ・定期券は3ヶ月料金を3で割った金額 ・定期券以外は実費 ・小学生は500円、中学生は1,000円の自己負担あり |
公式HP | 遠距離通学費補助制度 |
長野県諏訪郡原村(はらむら)
通学距離の要件は標準的ながら、自家用車送迎を想定して、ガソリン単価を利用した算定方法を用いているのが特徴的です。ただし、燃費が18km/リットルで計算されるので、車での送迎を前提で移住するときは、できるだけ燃費の良い車を用意しましょう。
支援の主な条件 | ・小学生:4km以上 ・中学生:5.5km以上 |
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支援内容 | ・徒歩または自家用車送迎:月額単価×通学月数×1/2 ※月額単価=4月1日のガソリン単価×(片道通学距離×2÷18)×1ヶ月の通学日数 ・交通機関を利用:月の定期券料金×通学月数 |
公式HP | 原村立小中学校通学費補助事業について |
岐阜県岐阜市(ぎふし)
小学生4km以上、中学生6km以上のスタンダードな遠距離通学費補助として取り上げました。交通機関を利用しなくても僅かに補助される点は評価できますが、交通機関を利用しても半額しか補助されず、物足りない印象を受けます。
支援の主な条件 | ・小学生:4km以上 ・中学生:6km以上 |
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支援内容 | ・交通機関を利用:定期券料金の1/2×通学月数 ・交通機関を利用しない:均一区間定期券料金の1/4×通学月数 |
公式HP | 遠距離通学費補助金 |