土地の無償譲渡による支援

全国的に人口減少が進むことは確実視されているため、既に過疎へ向かっている自治体は、移住・定住を促進する施策として、土地の無償譲渡を行っています。土地は財産価値を持つので、無償で手に入るなら欲しいと思うのではないでしょうか。

ただ、あまりにも地価が安い地域では、無償譲渡をされても経済的なメリットが小さいことから、公有地よりも自分で好きな土地を探したほうが良いのかもしれません。自分で家を建てたい希望があり、少しでも費用を減らしたい人には最適です。

支援制度の仕組み

土地の無償譲渡は、住宅を建築して定住する人に向けた施策なのですが、単に譲渡だけでは定住してくれる保証がありません。そこで、一定期間は無償貸付、その後住宅を建築して居住すれば無償譲渡になる流れです。

【無償譲渡までの流れ】

  1. 土地の無償貸付を受ける
  2. 無償貸付期間内に自己負担で住宅を建築する
  3. 建築済みの住宅に居住(転入)する
  4. 土地が無償譲渡される

住宅建築・居住から土地が無償譲渡されるまでは、即時の自治体もあれば、一定期間経過後の自治体もあります。それでも、最初から定住を前提に無償譲渡してもらうことを思えば、譲渡のタイミングは問題にならないはずです。

むしろ、多くの場合に問題となるのは、住宅建築のための住宅ローンでしょう。住宅ローンでは土地と建物に抵当権を設定しますが、住宅建築前は無償貸付の土地なので、土地の所有者が自治体です。

もちろん、住宅を建築してもらうために分譲した土地である以上、自治体のサポートは得られると思われます。それでも、通常の有償分譲とは異なるため、自治体や金融機関に良く確認してから申し込みたいところです。

この支援制度を設けている主な自治体

土地の無償譲渡を行っている自治体はそれほどありません。無償譲渡自体、そうでもしなければ人が集まりにくい地域なのですが、それ以前に造成・管理等でお金をかけた分譲地を、タダであげるほど財政に余裕がないことも多いからです。

しかし、分譲地の販売不振などから、積極的に移住・定住を促進している自治体はあるので、いくつか紹介していきます。

茨城県常陸太田市(ひたちおおたし)

茨城県常陸太田市
市外からの転入以外には、厳しい条件は付かない点が他の自治体との差です。住宅建築も無料貸付から2年以内と、スケジュール的に余裕がある日程ですし、立地さえ不満がなければ申し分ない支援でしょう。

支援の主な条件 ・無料貸付から2年以内に住宅建築・居住
・50㎡以上
支援内容 住宅建築・居住で土地を無償譲渡
公式HP 市有地を無償貸付・無償譲渡します

北海道二海郡八雲町(やくもちょう)

北海道二海郡八雲町
常陸太田市と同じく、年齢に条件が付かないので利用しやすい支援です。しかも、1区画が広く、ほとんどは200坪以上あります。問題があるとするなら、北海道なので雪への耐性がないと冬の生活は辛いかもしれません。

支援の主な条件 ・無料貸付の翌年末までに住宅建築・居住
・60㎡以上
支援内容 住宅建築・居住で土地を無償譲渡
公式HP 移住者に土地を無償で差し上げます

岐阜県本巣市(もとすし)

岐阜県本巣市
人口減少に歯止めをかけるための施策で、年齢に条件が付きます。とはいえ、年齢条件は夫婦のいずれかが50歳未満と緩く、子育て世代なら全く問題になりません。また、住宅建築までの猶予が長いのは高評価です。

支援の主な条件 ・夫婦のいずれかが50歳未満もしくは18歳未満の同居親族がいる
・無料貸付から3年以内に住宅建築・居住
・契約保証金30万円(無償譲渡後に返還)
支援内容 6年間無償貸付後に土地を無償譲渡
公式HP 水鳥団地を無償で譲渡します

石川県鳳珠郡穴水町(あなみずまち)

石川県鳳珠郡穴水町
年齢条件が厳しく、夫婦のどちらも若い世帯をターゲットにしています。また、住宅地としての環境維持を目的に、建築する住宅にも細かい規則があるため、自由に家を建てたい人は少し難しい条件です。

支援の主な条件 ・夫婦のいずれも概ね20歳以上40歳以下
・無料貸付から2年以内に住宅建築・居住
・50㎡以上
・契約保証金30万円(無償譲渡後に返還)
支援内容 住宅建築・居住で土地を無償譲渡
公式HP 宅地無償分譲 住宅地の概要

秋田県南秋田郡大潟村(おおがたむら)

秋田県南秋田郡大潟村
単なる移住ではなく、村内での活動を内外に発信する「情報発信者」として認定が必要です。村の活性化が目的なので、他に厳しい条件はありません。また、情報発信者は活動費(上限10万円)を毎年助成してもらえます。

支援の主な条件 ・情報発信者に認定されること
・無料貸付から2年以内に住宅建築・居住
支援内容 7年間無償貸付後に土地を無償譲渡
公式HP 大潟村情報発信者入村事業