【市町村別】納税義務者あたりの平均課税所得ランキング

都道府県 市区町村 納税義務者数 課税対象所得 納税義務者あたり
北海道 宗谷郡猿払村 1,325 10,394,119円 7,844,618円
兵庫県 芦屋市 43,497 266,221,781円 6,120,463円
東京都 武蔵野市 74,632 374,099,645円 5,012,590円
千葉県 浦安市 83,197 384,551,526円 4,622,180円
山梨県 南都留郡忍野村 4,215 19,438,701円 4,611,791円

※対象は所得割の納税義務者
※納税義務者数・課税対象所得は平成27年度市町村民税ベース
※東京23区を除く

住民税には、一定の所得以上で全員が同じ金額を課税される「均等割」と、均等割よりも高い一定の所得以上で、所得に応じた金額を課税される「所得割」があります。

  • 均等割も所得割も課税されない人(非課税者)
  • 均等割だけ課税される人(均等割納税義務者)
  • 均等割と所得割が課税される人(所得割納税義務者)

このように分かれるのですが、生活できる程度の所得を得ていると、ほぼ確実に所得割の対象となることから、所得割納税義務者の平均所得は、市町村の所得水準を表しているとも言えます。

ちなみに、東京23区を加えた全体の順位は、1位港区、2位千代田区、3位猿払村、4位渋谷区、5位芦屋市です。

第1位:北海道宗谷郡猿払村(さるふつむら)

北海道宗谷郡猿払村
北海道のオホーツク海沿岸に位置する、漁業と酪農の村です。村民の所得を支えているのは、何と言っても漁業。猿払村漁協によると、漁家数187戸で水揚げ金額が83億2,740万円もあります(平成27年度末)。

単純計算では、漁家1戸あたり4,450万円もの水揚げ金額になり、もちろんそのまま所得ではないですが、これだけ売り上げがあれば潤うのは当然です。中でも主力のホタテは、加工工場等の関連事業も生み出し、地域の雇用と所得向上の中心的存在です。

その一方で、2016年に2,700人強の人口が、2030年には2,400人強まで落ち込むと推計されています。このまま産業が維持される前提では、水産業を中心に必ず人手不足が起こりますから、移住しても働く場所がないことは考えにくいでしょう。

猿払村の総合戦略(平成28年3月)でも、産業の維持・発展と移住・観光の促進は、基本目標として掲げられています。なお、猿払村は、人口1,000人あたり小学校数でも3位にランクインしました。

第2位:兵庫県芦屋市(あしやし)

兵庫県芦屋市
かねてから高級住宅街として知られる芦屋市。神戸市と西宮市に隣接する芦屋市は、両市と共に「住みたい街」として人気が高いエリアで、高額納税者が多く住みます。

そのおかげもあって、全体でも5位に入る高所得水準なのですが、芦屋市の特徴は、行政の居住環境や景観に対する非常に高い意識です。市内全域が景観地区(芦屋川沿いは特別景観地区)に指定され、建築等の行為が規制されます。

その規制が、全国でも類を見ないほどの厳しさで、全ての建築物に対して新築や増改築はもちろん、色彩の変更を含む外観の変更までも、市長への認定申請を必要とする徹底ぶりです。

こうした施策から、市民アンケートでは「地域イメージが良い」、「生活環境が良い」、「治安が良い」といった回答が多く、通勤・通学などの「交通に便利」とする回答も目立ちます。

芦屋市の推計では、平成37年まで人口が増加するとされており、仕事・遊びは神戸市や大阪市に求め、静かな芦屋市で暮らしたいニーズは今後も続くでしょう。

第3位:東京都武蔵野市(むさしのし)

東京都武蔵野市
東京23区と多摩地区を繋ぐ位置にある武蔵野市は、一大商業地域の吉祥寺を抱え、常に人気の高いエリアとして君臨し続けています。約11㎢の面積に14万人以上が住み、市では全国2位の人口密度です。

人口密度の高さは、人口あたりの行政区域が狭いことを意味しますから、豊かな税収とコンパクトな行政が実現され、武蔵野市の財政状況(財政力指数)は全国でもトップクラスです。

だからといって、武蔵野市の人気は吉祥寺だけに偏ったものではありません。子育てへの助成(中学校修了まで保険診療分を助成など)が住民の負担を軽減しており、井の頭公園を始めとする公園で緑が保たれた、都心部とは異なる住環境が人気を支えています。

また、所得が高いほど、子供の教育水準も高くなることは良く知られており、その子供が成長して、また高い税収をもたらす好循環が、武蔵野市には定着しています。

第4位:千葉県浦安市(うらやすし)

千葉県浦安市
3位の武蔵野市に吉祥寺があるように、浦安市は東京ディズニーリゾートで良く知られ、千葉県とはいえ東京都江戸川区のすぐ隣に位置する市です。舞浜や新浦安付近のタワーマンションに住む富裕層が、所得水準の高さを支えていると思われます。

東京都に隣接していること、歴史が浅く地域自体が埋立地なので整備されていること、JR京葉線沿線に大学病院があることなど、通勤が楽で住環境の良さが支持されています。また、浦安市は若い世代の人口比率が高く、高齢化が進んでいません。

未成年 20代 30代 40代 50代 65歳以上
全国 17.5% 10.2% 12.6% 14.7% 12.2% 26.3%
浦安市 20.0% 13.8% 14.6% 18.6% 12.0% 16.0%

つまり、一流企業や事業で成功したなど高所得の20代~40代が、浦安市に多く流れている構図となっているのですが、この地域は埋め立て地が災いして、東日本大震災では液状化現象の被害が大きかったことでも知られています。

その点をどのように評価するのかで、移住先として見る浦安市も変わるのでしょう。

第5位:山梨県南都留郡忍野村(おしのむら)

山梨県南都留郡忍野村
山梨県の南部、人口は9,000人ほどの忍野村が5位にランクインしました。天然記念物の忍野八海(湧き水からなる8つの池)や美しい自然を生かした観光と、米・そば・高原野菜を生産しています。

これだけでは、忍野村の所得水準が高い理由になりませんよね。実は、工作機械用NC装置(NCとはコンピュータ制御のこと)で、世界トップシェアを誇る「ファナック」の本社が忍野村にあり、忍野村の財政を支えているといっても過言ではありません。

ファナックは超の付く優良企業として知られ、従業員の給料が高いことで、忍野村全体の所得水準を引き上げています。また、会社自体も法人住民税や固定資産税を納付するので、忍野村の歳入は、5割以上が地方税と非常に健全な財政状況です。

その代わり、移住する材料に乏しい忍野村ですが、少なくとも財政の心配がない点は高評価で、ファナックが撤退しない限り、住民サービスの悪化はないでしょう。

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