静岡県、愛知県、岐阜県、三重県で構成される東海は、中心になる愛知県を除くと、他の地方との交流が盛んな地域も存在します。そのため、必ずしも名古屋市を中心に考える必要はなく、周辺にある都市まで意識しましょう。
例えば、静岡県東部は東京圏への通勤が可能ですし、観光地の多い岐阜県北部は、岐阜市・名古屋市よりも北陸の富山市・金沢市のほうが近いです。また、奈良市と隣接する三重県西部は、大阪圏へアクセスしやすい利便性を持ちます。
このように、ほとんどの地域で経済的に孤立していないのですが、三重県南部の太平洋沿岸だけは、過疎が進んで交通も不便な代わりに、得られる自然環境は貴重なものとなっており、東海の中では特徴的な地域です。
東海への移住で注意したいこと
名古屋市を中心とした都市部は、東に岡崎市・浜松市、西が四日市市、北には岐阜市がありバランスの良い人口分布です。したがって、名古屋市とそれ以外の主要市を結ぶ路線沿線は、どこに住んでもそれなりの利便性が確保されています。
もちろん、そのような便利な地域の地価は高いですが、愛知県内と愛知県外では、県境の隣り合った自治体で意外と差があります。戸建て住宅を検討している場合は、愛知県から一歩出る決断も必要になるでしょう。
また、平野と山地に標高差がある東海は、気候差が大きくて過ごしやすさに違いがあります。温暖な静岡県沿岸部、夏の猛暑と冬は冷え込みもある名古屋市周辺、降雨量が多く台風被害を受けやすい三重県南部、その他の山間部は涼しいですが冬は厳しいです。
他には、東京圏(羽田・成田)、大阪圏(関空・伊丹)と比べて空港の利便性が良くありません。3つある空港のうち、静岡空港と名古屋飛行場は利用者が少なく、セントレア(中部国際空港)に頼りがちなので、セントレアから離れすぎると不便します。