人口1000人あたりの医師数ランキング

都道府県 市区町村 人口 医師数 1,000人あたり
東京都 千代田区 61,269 1,371 22.4
東京都 文京区 217,419 4,373 20.1
福井県 吉田郡永平寺町 18,779 368 19.6
石川県 河北郡内灘町 26,838 436 16.2
栃木県 下都賀郡壬生町 39,664 595 15.0
愛媛県 東温市 33,555 485 14.5
山梨県 中央市 30,816 442 14.3
香川県 木田郡三木町 28,469 398 14.0
栃木県 下野市 60,323 822 13.6
大分県 由布市 34,762 459 13.2
埼玉県 入間郡毛呂山町 34,207 448 13.1
沖縄県 中頭郡西原町 35,194 437 12.4
東京都 新宿区 342,297 4,237 12.4
千葉県 鴨川市 33,562 390 11.6
大阪府 大阪狭山市 58,232 659 11.3

※人口は平成30年1月1日住基人口
※医師数は平成28年医師・歯科医師・薬剤師調査
※政令指定都市等の区を除く

絶対的な医師数の多さは、地域医療の充実に繋がることは疑いようもありません。医師不足に悩む地方は多く、医師は都市部に集中していると良く言われます。

ところが、人口1,000人あたりの医師数を出してみると、意外にも地方が上位に入りました。つまり、地方でも医師の多い地域があって、その理由は大学病院の存在です。

大きな病院は、地域の二次医療・三次医療を担うこと、また、救急医療現場となることから、一刻を争う病状のときに、近くに大病院があるメリットは大きいでしょう。

第1位:東京都千代田区(ちよだく)

東京都千代田区
国会議事堂を始め、中央の官公庁が軒並み集まっている千代田区。東京駅があるのも千代田区、皇居があるのも千代田区と、千代田区は公的分野で日本の中枢を担っています。

そのせいもあって、人口は23区中最も少ないのですが、通勤・通学などで昼間人口は約20倍にも膨れ上がる過密地域です。昼の千代田区と夜の千代田区は全く様相が異なります。

こうした地域だけに、千代田区の医師数は、他のランク上位の地域とは違う特徴を持っています。それは、病院勤務医と同じくらい、診療所勤務医(主に開業医や開業医の勤務医)がいることです。

診療所勤務医だけを人口1,000人あたりで比較してみると、千代田区は11.4人で断トツの1位でした(2位は東京都中央区の3.9人)。

第2位:東京都文京区(ぶんきょうく)

東京都文京区
千代田区の北に位置する文京区は、千代田区と対照的に大きな病院の多い地域です。病院勤務医が多いのが特徴で、文京区だけで地方の政令指定都市を上回るほどですから、いかに文京区の病院勤務医が多いか良くわかるのではないでしょうか。

一般の病院が5つの他、順天堂大学医学部附属順天堂医院、東京大学医学部附属病院、東京医科歯科大学医学部附属病院、日本医科大学付属病院と大学病院も豊富です(東京医科歯科大学歯学部附属病院は歯科病院なので除く)。

これらの大学病院は、いずれも病床数が763床~1,222床と大きく、必然的に人口1,000人あたり病床数も多くなっています。

大学病院は、基本的に紹介状を必要とする「特定機能病院」なので、日常的に受診することは少ないかもしれませんが、高度な医療機関が地域に充実していると、遠隔地で治療を受けなくても済むメリットはあるでしょう。

第3位:福井県吉田郡永平寺町(えいへいじちょう)

福井県吉田郡永平寺町
仏教に信心深い人なら、永平寺町の町名で気付いたかもしれません。永平寺は曹洞宗の大本山として良く知られ、年間47万人が参拝します。

永平寺町には、福井大学医学部附属病院(600床)があり、1日平均1,200人以上(平成27年度)の外来患者が訪れる地域医療の要所です。大きな病院があることで、医療・福祉分野の雇用も生み出しています。

町は平成31年度までに永平寺前を再整備して、参拝者数を年間65万人まで増やす計画なのですが、その再整備計画を担っているのは、六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズなど「ヒルズ」で知られる森ビル株式会社です。

外国人観光客の受け入れを強化することで、活性化を図りたい永平寺町。県庁所在地の福井市に隣接することから、ベッドタウンとしても機能している一方で、産業が観光頼みになっている点は、これからの課題となるでしょう。

第4位:石川県河北郡内灘町(うちなだまち)

石川県河北郡内灘町
加賀百万石の城下町、金沢市の北に接する内灘町は、面積20.33㎢の小さな町ながら、金沢医科大学病院(835床)があります。内灘海岸(砂丘)から見る夕日や、マリンスポーツが人気の地域です。

金沢医科大学病院は、1日平均1,170人の外来患者と630人の入院患者、そして年間約12,000人もの救急患者(いずれも平成27年度)を処置していく病院で、近隣地域からも多くの患者が搬入されます。

内灘町は町内で人口増減に著しく差があり、ニュータウンとして土地区画整理事業が行われている「白帆台地区」が毎年人口を増やしています。その分、他の地区が人口を減らし、内灘町全体の人口は微増です。

また、就業者の3分の2が町外の勤務先で、中でも金沢市への通勤者が5割を超えます。仕事は金沢市、住居は内灘町という住民が多いことから、夜間人口に対する昼間人口(昼夜間人口比率)は、石川県内で最低の0.75です。

第5位:栃木県下都賀郡壬生町(みぶまち)

栃木県下都賀郡壬生町
栃木県の中南部、北関東自動車道に壬生ICや壬生PAがあるので、壬生町の地名を覚えている人が多いかもしれません。約4万人と人口の多い町ですが、獨協医科大学病院に医師のほとんどが勤務しています。

獨協医科大学病院は、昭和49年からの歴史ある病院で、平成8年に新館、平成16年にセンター棟、平成17年にPETセンター(がんの検査をする施設)、平成27年に教育医療棟を増築し、延床面積が12万㎡を超えています。

病床数1,167床もある東京都内の大病院と変わらない規模で、1日平均2,130人の外来患者が訪れます(平成27年度)。看護師だけでも1,000人を超えるのですから、その規模が想像できるのではないでしょうか。

1,500人の住民アンケート(回答数660人)では、7割以上が「住み続ける」と答えました。医療施設の充実、公園の整備などを進め、緑園都市の形成(自然と都市機能の調和)を目指して壬生町は発展しています。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
すみとく!-住みたい街・国内移住データ【全国版】